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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第191話(シャルロットルート)】
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…ッ。 ……じ、じゃあもう少し上な……?」


 身体全身に熱を帯びるのを感じ、抱いた腕を上にあげると両腕にシャルの乳房の重みを感じた。


「こ、これでいいよな?」

「……うん。 ……ねえヒルト? ……もしだけど、これで【事故】でヒルトが僕の胸を触ったとしても……【事故】……だからね?」


 事故という言葉を強調し、シャルは俺の腕に手を重ねる。

 ……事故なら触っても……という邪な考えが過るが、流石にまずいので細心の注意を払わなければ。


「そろそろ準備は良いですか?」

「あ、はい。 お願いします」


 係員が声をかけ、抱く腕に力を少し込めるとシャルが小さく声を上げた。

 今回選んだのは曲線蛇行型のウォータースライダーの列。

 どちらも良さそうだったが、今回は此方を選んだ。

 それはそうとして、小さく声を上げたシャルが――。


「……ヒルト?」

「ん? ど、どうした?」

「……えへへ、何だかこうやってヒルトに抱かれるのって……凄く嬉しくて……。 僕、ヒルトと一緒に過ごした思い出が増えて嬉し――――わあぁぁあああっ!?」

「ぅおっ!? 絶対あの係員わざとだろ!!」


 いきなりウォータースライダーを滑り出し、シャルも俺も驚きの声を上げた。

 しかも、あの係員――いつまでもイチャイチャしてるんじゃねぇよと呟いてたし。

 曲線蛇行型とはいえ、二人がくっついて滑っているので徐々に加速していくそれに、流石のシャルも声を上げていた。

 ……前って、そんなに加速度が凄いのかな?

 そんなとんちんかんな考えをしつつ、少し抱いた腕に力を込め直すとまた小さく声を上げたシャル。

 密着しているためか、触れあった肌と肌とで互いの体温を共有してる感覚が伝わってくる。

 思ったよりも時間は掛からず、最後のコーナーを上がると一気に加速し、他のカップル同様に激しく水飛沫をたてると共に加速したスピードは減速し、気付いたらずぶ濡れになっていた。


「あ、あれ? ……もう終わりかぁ……」

「その様だな、回転率高いならまだ滑れそうだが――もう列が凄いことになってるしな」


 ちらりと見ると、ウォータースライダーの列が一時間待ちという――どれだけ人気だよ、ウォータースライダー。

 いつまでも腰を抱いてるとシャルも気になるかもと思い、抱いた腕を離すとそれに気付いたシャルは振り向き、少し寂しそうな表情を見せた。


「いつまでも抱いたままだと目立つだろ? ほら、シャル……」


 立ち上がり、手を差し出すとシャルは迷うことなく手を取った。

 そのまま引き上げる様に引っ張ると、慣性に従うようにシャルが俺に身を寄せた。

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