閑話3 〜追憶の日々 -again【暁 Ver】
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スバルが怒ったのか未だに理解出来ないけど、誰かを助けることはいいことで、誰かを助けることが出来れば、兄が喜んでくれるということがわかればいい。
『さて、クリスマスも近いですね。プレゼントは何がいいですか?』
「……もう、貰ったからいい」
『へ? いや、あげてませんよ』
「……もらった」
『え、まさか。私以外の誰かから貰ったんですか? 一体何処の誰ですか? 今すぐに連れてきなさい』
兄は時々、馬鹿になるな。
「……じゃあな」
『えっ、まだ話は終わってませんよ。こら、アス』
『その人にとってのサンタ』か。なら、私にとってのサンタクロースは兄だ。誰が何と言おうと。
「そっか。それじゃ、アスナをいい方向に導いた、切っ掛けでもあるんだね」
「そうですね……フェイトさん? ショートケーキから苺が転がりましたよ」
涙目になっているフェイトさんを見かねたエリオが自分の苺と取替ている。エリオもキャロも本当にいい子だ。あたし達のように捻くれないで、そのまま育って欲しい。
「それで、その娘は今何してるの?」
なのはさんがフェイトさんに苦笑いしながら質問した。
「はい、訓練校を卒業してから特別救助隊に入隊しました」
「『特救』? 優秀だねぇ」
特別救助隊。通称、『特救』。人命救助専門の部隊で高い能力が要求される。危険地帯へ行くこともあるので心配していたが、時々連絡が来る。以前よりも少しだけ大人びた彼女は元気でやっているようだった。
「彼女は優秀でしたから。何より努力家でした」
「素敵なお話でした……あ! それじゃ、ティアさん達が腕につけているリボンって」
「そう。卒業した時に彼女がくれたの。色もくすんじゃって赤じゃなくなってるけど……買い換える気が起きないのよ。だから、あたし達は三人じゃなくて四人なんです。担当教官が違いましたから、組んで戦うことは殆どなかったですけど」
「いいね、そういうの。っと、はやてちゃんから通信だ」
『休憩中ごめんなぁ。例によって荷物が届いとるから後で確認お願い』
「あぁ、うん。わかったよ。わざわざありがとう」
やり取りを聞いていたフェイトさんは溜息をついている。多分アレだろう。突然話は変わるが、なのはさんにしても、フェイトさんにしても……そして八神部隊長も。管理局では有名人で内部には非公式ながらファンクラブも存在する。これが厄介なのだ。
本人が把握している場所で迷惑を掛けずに活動するなら構わないが、ファンレターやら花束やら、プレゼントが贈られてくる。これらはいったん本局で集められ厳重な検査を受けた後にこちらへ運ばれてくるのだが。量が多いのだ。
「それじゃ、ちょっと早いけど戻
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