月に吠える
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マ》?」
「映画を記憶させた水晶だよ。奴等、こんなモン持ってたのか」
「映画って何?」
「物語さ。役者が芝居をしてお話を見せてくれるんだぜ。ま、俺も見た事ねーんだけど」
そう言いながらウォーリーがカチ、とスイッチを押す。
すると、前回に見た時に途中だったのか、突然現れた男が銃を発砲した。
「おおっ!」
「みゃっ!」
突然の事に驚き戸惑うウォーリーとミリアーナ。
『残念だったな、トニージョー』
画面上の男は敵であろうトニージョーを撃ち、帽子を被る。
『お前の運命は俺と出会った時に、終わっていたんだぜ』
それを見たウォーリーは――――
「シブイィィーーーーーーー!」
「・・・」
嬉しそうに声を上げた。
その後ろのミリアーナは驚いている。
因みに、現在のウォーリーがよく『ダンディに』と言うのは、初めて見た映画であるこれが原因だとか。
「姉さん、遅いなぁ」
作りかけの楽園の塔を見つめ、ショウは溜息をついた。
「ジェラール?何言ってんの?一緒に島から逃げるのよ」
フラフラ・・・と歩いていくジェラールに声を掛けるエルザ。
「エルザ、この世界に自由などない」
「!?」
ジェラールの言葉にエルザは驚く。
ジェラールは足を止め、ゆっくりと口を開いた。
「俺は気づいてしまったんだ。俺達に必要なのは、かりそめの自由なんかではない」
そこで一旦区切り、振り返る。
「本当の自由。ゼレフの世界だ」
そう呟くジェラールの顔は、何かに取り憑かれたかのように歪んでいた。
エルザの体を寒気が走る。
「今なら『奴等』の気持ちも少しは解る。あのゼレフを復活させようとしていたんだ。だが奴等はその存在を感じる事が出来ない哀れな信者共さ。なぁ?」
ジェラールに顔を踏まれ、信者の1人が悲鳴を上げる。
「この塔は俺が貰う。俺がRシステムを完成させ、ゼレフを蘇らせてやる」
不気味で歪んだ笑みを浮かべ、ジェラールは呟く。
震える声でエルザが口を開いた。
「ど・・・どうしちゃったの?ジェラール・・・何言ってるの全然解らな・・・!」
エルザが最後まで言い終えるのは不可能だった。
ジェラールが顔を踏みつけている信者に手をかざした瞬間、嫌な音がして真っ赤な血が勢いよく飛び散る。
エルザは口を両手で覆い、目を見開いた。
「や、やめ、てくれ・・・」
別の信者が必死に命乞いをするが、ジェラールには通用しない。
「ぶはっ!」
肘を曲げた状態で挙げた右腕を横に振ると同時に、再び地面が血に染まる。
「魔法・・・?」
「うわあああ!」
エルザが目を見開き呟く。
歪んだ笑み
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