キラーパンサーに転生
19終わりと始まり
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よりレベルも上がってるし、簡単には負けない!
絶対に、必要な時間はかせいでみせる!
敵がなにか言ってるのはほとんど耳に入らないくらい集中して、動き続けてたけど。
「……!!モモ!!下がれ!!」
ドーラちゃんが鋭く叫んだのははっきり聞こえて、素早く後ろに下がります。
ドーラちゃんが盾を構えて身を守ってるのを確認しながら、あたしも身を縮めて守りの姿勢を取って。
大きく息を吸い込んだ敵が、大きく吐き出したと思ったら、目の前に火炎が迫っていて、避けようにも範囲が広くて逃げ場がなくて。
縮こまって顔を伏せて、目をつぶって息を止めて。
必死にこらえるけど、熱さと痛みと息ができないのとで、だんだん気が遠くなってきて。
火炎が収まってようやく息ができるとほっとすると同時に、赤かった視界が白くなって、そのまま意識を失ってしまったようでした。
意識を失ってる間のことは、よく覚えてないけど。
でも全く感覚がなかったわけじゃなくて、焼けて痛んでた体が途中で急に楽になって、楽に息ができるようになって。
温かいなにかに包まれて、でもすぐに離れていってしまって、寂しくて。
追いかけたいのに体は動かなくて、目も開けられなくて。
なにを言ってるのかはわからなかったけど、でも懐かしい感じがする声が聞こえて、だけどそれがとっても悲しそうで、あたしも悲しくなってきて。
また熱い空気が動くのを感じて、本当に悲しそうな叫び声を聞いた気がして、すぐに静かになって。
あたしが気がつくまでに、どれくらいの時間が経ってたのかわからなかったけど。
でも、気がついたときには誰もいなくて、あたし一人だった。
ドーラちゃんの焼け焦げたケープの他に、パパさんの剣もそこにあったから、きっとうまくいったんだろう。
うまくいって、それでパパさんは、やっぱり死んじゃったんだ。
体はだるかったけど、ドーラちゃんが治してくれたのか、ケガは完全に治ってて。
いろいろ考えてしまって顔を落とすと、焼け焦げて切れたリボンがそこに落ちてました。
……ビアンカちゃんにもらった、ドーラちゃんとお揃いのリボン。
こんなになっちゃったんだ。
こんなになっても、大切な思い出のリボンをそのまま捨てていくなんて、本当はしたくなかったけど。
だけどパパさんの剣を運ぶだけでも大変なのに、このリボンまで一緒にくわえていくなんて、海を越えて運んでいくなんて、きっとできない。
もうすぐ兵士さんたちが追いついてくるだろうから、その前に急いで剣を持って、ここを出ないといけないのに。
兵士さんたちがきたらきっとパパさんの剣は持っていかれてしまうし、人間と一
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