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ドラクエX・ドーラちゃんの外伝
キラーパンサーに転生
19終わりと始まり
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惜しくない。
 本当は、あたしだって死にたくないけど。
 もっと、ずっと、ドーラちゃんと一緒にいて、もっとドーラちゃんを助けて、一緒に楽しく過ごしたいけど。

 でも、ドーラちゃんがいないなら、あたしだけ生きてても意味がないの。
 ドーラちゃんが死んじゃったら、あたしが生きてても、意味がないの。
 あたしがあたしのままでいるには、生きていくには、どうしてもドーラちゃんが必要だから。

 あたしがドーラちゃんを助けて死んじゃったら、きっとドーラちゃんは悲しむと思うけど。
 でもあたしが死んでも、きっとドーラちゃんは生きていってくれるから。
 あたしのせいでドーラちゃんを悲しませてもドーラちゃんに生きててほしいだなんて、そんなのあたしのわがままだってわかってるけど。
 でも、それでも生きていてくれるなら。

 小細工もしないでまっすぐ向かっていくあたしに、また敵はゆっくりと手を持ち上げて、指先を向けてきて。

 ……さっきの魔法、正面からまともに受けたら、きっとあたしは死んじゃうけど。
 でもこれで時間がかせげたから、ドーラちゃんは体勢を立て直せるから、そしたらドーラちゃんは大丈夫。

 ごめんね、ドーラちゃん。
 甘えてばっかりで、最後に勝手なことして。
 でもドーラちゃんはどうか、生きていて。

 魔法が放たれようとしてるのにも構わず、まっすぐ突っ込んでいくあたしの背後で、また叫ぶ声がして。

「モモ!!」
「メラ!!」

 きっと死んじゃうけど、でも死んでもぶつかっていくつもりで突っ込んだのに、目の前で火の玉は上に逸れて、あたしは抵抗なく攻撃をしかけることができて、驚きながらもまた距離を取って。

「……少々、おイタが過ぎるようですね?」
「ひっ……!!」

 敵が、いま攻撃したあたしじゃなくて、後ろにいたヘンリーくんを見ています。

 ……そっか、『メラ』って聞こえた。
 小さな火の玉が、飛んでいくのも見えた気がする。
 ヘンリーくんが、助けてくれたんだ。

 ありがとう、ヘンリーくん。
 あたしは、ドーラちゃんのためなら死んでもよかったけど。
 でもやっぱり、死にたくなかったから。
 ヘンリーくんが助けてくれたから、あたしはまだ戦える。
 まだ、ドーラちゃんを助けてあげられる。
 あたしのせいで、ドーラちゃんを悲しませることもない。

「お前の相手は、私だあああ!!」

 ヘンリーくんをかばって、敵の注意を引くように叫びながら向かっていくドーラちゃんに、あたしも続きます。

 積極的に攻撃を当てようとしないで、牽制して自分たちが攻撃を受けないようにしてるドーラちゃんを見て、あたしも撹乱を始めます。

 これなら、たくさん練習したんだから!
 あのとき
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