キラーパンサーに転生
18続・ベビーパンサーは見ていた
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ずっと先のそのときになっても、やっぱりできることなんてないかもしれないけど、それを気にするよりも今は他にすることがあるから。
パパさんとドーラちゃんのあとに着いて一緒にイカダに乗って、ヘンリーくんのいる牢に向かいます。
牢の中でなんだかいじけてたヘンリーくんを、パパさんが殴って叱って。
……ドーラちゃんのお話で、ヘンリーくんは納得してくれたのかと思ってたけど。
やっぱり、そんなに簡単にはいかないのかな。
自分のせいでパパさんが死んじゃって、ドーラちゃんも巻き込んじゃうのかもしれないって。
やっぱりまだ、そんな風に思ってるのかな。
もしそうでも、それはヘンリー王子さまに生まれたからそうなってるだけで。
ヘンリー王子さまに生まれた、この人のせいじゃないのに。
パパさんが追っ手の魔物を引き受けて、あたしたちはイカダに乗って入り口を目指してる間、ドーラちゃんとヘンリーくんはそんなことを話してたけど。
そのうち、ヘンリーくんがこんなことを言い出して。
「……なあ、なんでそんな、平気そうなんだ?お前の、父親だろ?」
……平気なわけ、ないじゃない!
ドーラちゃんが頑張って我慢してるのに、なんてこと言うの!?
この方法を選ぶのに、どんなにドーラちゃんが考えて、悩んで、苦しんだかって!
なにも、知らないで!!
あたしはもう本当にヘンリーくんを引っかいてやりたくて、でもドーラちゃんが我慢してるのにあたしだけそんなことしてる場合じゃないって、必死で自分を抑えてたけど。
「平気だと、思うの?」
ドーラちゃんの抑えた声に、あたしの抑えてた気持ちが本当に鎮まって。
……今、ヘンリーくんに当たり散らしても、なんにもならないんだ。
ヘンリーくんがその程度のこともわからない人なら、それはそれで。
あたしたちは、あたしたちがしないといけないことを、ちゃんとしないと。
それは、ヘンリーくんを引っかいて気を晴らすことなんかじゃないんだから。
「……思わねえけど。落ち着きすぎだろ」
……本当に平気だって、ヘンリーくんもそんなことを思ってたわけじゃないんだ。
だからって、あんなこと言っていいわけじゃないけど。
「今は、他に、やることがあるの。のんびりくよくよ考えていい時間は、今じゃ無いの」
そうだね、ドーラちゃん。
今は他に、やることがあるんだから。
余計なことに、気を散らしてる場合じゃない。
「……だけど、そんな……簡単に……」
ドーラちゃんは、簡単に考えて決めたわけじゃないって。
あたしはしゃべれたら、きっとヘンリーくんにそう言ってたけど。
「君に、ゆっくり考える時間をあげられないのは、悪いと思うけ
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