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ドラクエX・ドーラちゃんの外伝
キラーパンサーに転生
18続・ベビーパンサーは見ていた
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てたのに、あたしたちの気配にパパさんが振り向いて。

「おとうさん!」

 パパさんの背中に襲いかかる魔物の姿にドーラちゃんが思わず叫んでたけど、パパさんは全然動じないで、キレイな動作で魔物を斬り捨てて。

「ドーラ。……どうして、来たんだ」

 ……いつもと変わらない静かな表情だけど、もしかしてやっぱり、怒ってるのかな?

 パパさんがドーラちゃんを怒るなんて、全然想像ができないけど。
 でもパパさんの立場なら、きっとここは怒らないといけないんだろうけど!

 でも、怒らないであげて!
 ドーラちゃんは、ただのわがままでこんなことしたんじゃないの!
 パパさんもサンチョさんも村のみんなも、みんなを助けたくて頑張ってるんだから!
 説明はできないけど、でもどうか、怒らないで!
 みんなのためにこんなに頑張ってるドーラちゃんが、説明できないから仕方ないなんて黙って怒られちゃうのも、そんなに頑張ってることを知らないでパパさんが怒っちゃうのも。
 あたしは、どっちもいやだよ!

「……ごめんなさい」

 パパさんがなにか言う前に、先にドーラちゃんが謝ってしまったけど。

 パパさんから見たら悪いことかもしれないけど、ドーラちゃんはなにも悪いことはしてないのに。
 謝るのが一番よかったのかもしれないけど、でもドーラちゃんは、悪くないのに。

 パパさんが、ため息をついて言います。

「……来てしまったものは、仕方が無い。説教は後だ。ヘンリー王子を、助けるぞ」
「……はい!」

 パパさんはちょっと困ったみたいな顔をしてたけど、でもすぐにドーラちゃんを怒ることはしなくて。
 ドーラちゃんはひとまず連れていってもらえることになって、嬉しそうな顔をしていて。

 ……このあとすぐにお説教ができることなんてないって、ドーラちゃんとあたしは知ってるから。
 ドーラちゃんはどう思ってるかわからないけど、すぐに怒られることがなくて、よかった。

 ずっと先に、パパさんをちゃんと助けられたら。
 そのときは、パパさんにもちゃんと説明できたらいいのに。
 パパさんがちゃんとわかってくれて、ドーラちゃんを怒らないで、褒めてくれたらいいのに。

 そのときになっても、ドーラちゃんは自分では言わないかもしれないから。
 あたしがお話しできたら、ドーラちゃんが言おうとしないこともかわりにちゃんと説明して、わかってもらうのに。

 ドーラちゃんは一人で頑張って、自分が悪いみたいになっても、結果がよければそれでいいって思ってるのかもしれないけど。
 でもあたしは、そんなのいやだ。
 パパさんだって、そんなのきっと、いやだよ。


 そんなことを思ったけど、今のあたしにできることはなにもなくて。

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