旅記
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私は目が覚めた、天上は白く、
手足に包帯がびっしりだ…。
右足が膝から下が無くなっている。
どうやら私は助かったらしい。
記憶を巡らせる…
!
…そうか私は…助かってしまったんだ。
時は1960年夏蝉の鳴き音が五月蝿く思う季節。
私は硫黄島に居た、どうやら大本営のお達しに、
よると大日本帝国防衛最前線らしく、
大量の兵隊が送られているらしい。
まあ私はしがない二等兵…
所謂したっぱだ。
今日もいつも通りに地下防空豪を作っている、
硫黄臭いし泥も汚い、そう。
私は肉体労働は向いていない。
コラァ!そこ!
きびきび動かんかぁ!
チッエリートさんだよ階級が上なだけの中年。
あっ…すいません。
貴様みたいな軟弱者が居るから、
地下防空作業が進まんのだ!
なんだよこいつうっとおしいな
いきなり警報が鳴った
ウーウーウー!
皆騒然とする、その瞬間。
ババババ!ヒュンヒュン!
皆逃げろ!豪に跳びこめ…ババババ!ブシュッ…
さっきまで威風堂々としていた中年が肉塊になって
いた。
被害は甚大なものだった死者86名
次の日私達は普通に瓦礫の撤去作業をしていた
死体の処理も。
私の持ち場は機関射撃ですんでいたが他の持ち場には。
爆弾を放たれたらしい。
納得の数字だ。
これは序章に過ぎない。
もっと酷い状況になると私は直感していた。
逃げ場のない地獄。圧倒的物量の差を思い知る事になる。
今日も私は豪を掘る。
新しい中年に激昂されながら。
1960年○月○日記入。
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