キラーパンサーに転生
17ベビーパンサーは見ていた
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あたしとドーラちゃんとおんなじで、前世の記憶があるってわかったヘンリーくんと、ドーラちゃんがお話ししてます。
「早速だけど。俺、独りで誘拐されるから。放っといてくれ」
ヘンリーくんは、一人で誘拐されるつもりなんだ。
未来のドーラちゃんのお話を聞いてなかったら、あたしもそれがいいと思ったかもしれないけど。
あたしたちになにか悪いことをしたわけじゃないヘンリーくんが、死ねばいいなんて思ってないけど。
あたしが一番生きててほしいドーラちゃんと、ドーラちゃんの大事なパパさんが、それで助かるっていうんなら。
ヘンリーくんだって、ドレイにはされても死なないはずなんだから、ドーラちゃんたちだけでも助かるならって。
だけどそうはならないことを、あたしもドーラちゃんも知ってるから。
「お断りします」
ドーラちゃんは、断るしかない。
あたしだって、それでいいなんて思えない。
……でもこんなに可愛いドーラちゃんを前にしても、予定通りに一人で誘拐されようとするなんて。
中身は大人でも、ロリコンの変な人ではないみたいだね!
うん、下がりきった株が、ちょっと持ち直したかも!
「……なんでだよ。お前、親父が死んでもいいのか?仮にも、親だろ?」
ヘンリーくんは、やっぱりパパさんを助けてくれるつもりなんだね。
ロリコンでもないし、自分がドレイにされるからってヤケになって他の人を巻き込もうとはしてないし!
結構いい人かも、このヘンリーくん!
ドーラちゃんが、未来のドーラちゃんから聞いたお話を簡単に説明して、ヘンリーくんも驚いてたけど理解はしてくれたみたいで。
「とにかく、ゲーム通りに、誘拐されたヘンリーをパパ……スと私が追いかけて、私がヘンリーと一緒に奴隷やるのが、一番被害が少ないの」
「……俺は、王妃と組んで、俺の誘拐を仕組んでる。俺は、誘拐された後は、他の国に逃がしてもらえる手筈になってる」
でも理解してくれるのと、信じて納得してくれるのは、やっぱり別みたいで。
……もしも、ヘンリーくんの言う通りに、うまく逃がしてもらえるんなら。
弟のデールくんと王位を争わされたり、魔物が入り込んでくるかもしれなかったり。
嫌なことがたくさんあるこの国からせっかく逃げ出せるチャンスなのに、パパさんが追いかけてきたら台無しになっちゃうってことだよね。
だけど、もしもほんとにそうだったら。
ヘンリーくんが言う通りの、王妃さまと仕組んだだけの誘拐だったなら。
パパさんが追いかけたせいでヘンリーくんが逃げるのに失敗するんだとしても、パパさんを殺せるような魔物はきてないはずだし、ドーラちゃんだってドレイにされるなんてことはないはずで。
ほんとにそうだ
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