暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep5白と黒の密会〜Secret〜
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小さく深呼吸。
「あ、いや・・・。断ると言ったら・・・」
何を馬鹿なことを考えているんだ私は。彼女は私の目の前で殺されたのだ。生きている訳がない。それに、目の前の彼女の髪は金髪だ。瞳も綺麗な真紅。顔の造形は瓜二つと言えど、しかしシェフィとは別人なのだ。
「ゴチャゴチャ言ってないでさっさと渡しな!」
今度は彼女の隣に居た大型の狼から言葉が発せられる。おそらく使い魔の類だと思われる。人気がないとはいえ、公共の場で喋るのは駄目だと思うんだけどな。黒衣の少女も「ダメだよ、喋っちゃ」と小声で叱咤した。
「悪いがこれほどの危険な代物を、どこの誰かも判らない君たちには渡せないな」
自分のことを棚にあげてそう口にする。それにこの宝石が“界律”との契約に何らかの関係があると思われた。それなら、この石の正体を調査するべきだ。ゆえに渡すことは出来ない。
「チッ、フェイト、仕方ないよ! こいつをぶちのめしてでも頂こうよ!」
「・・・本当は戦いたくないけど仕方ありません。力ずくで貰っていきます」
狼の方が物騒なことを平気で並べていく。しつけに難あり、だな。しかしフェイトと呼ばれた少女。戦いを望まないのも丁寧な言葉使いもシェフィにそっくりだ。フェイトの姿にシェフィの幼少期の姿を重ねてしまう。
(馬鹿が。そんなことをして何になる?)
いま私が行っている幻視は、フェイトという少女一個人の存在を侮辱していることだ。
「ならば、こちらも仕方ないな」
萎える気持ちを無理矢理奮い立たせる。では見せてもらおうか、この世界の魔術師の力を・・・。
†††Sideルシリオン⇒フェイト†††
“ジュエルシード”の発動を感じてからここまで来るのに1分と少し。遠目から見えたのは砲撃魔法と思われる閃光だった。結界も張らずに何をやってるんだろう?と小首を傾げる。
その場に着いてみれば、居たのは銀髪を膝の辺りまで伸ばして、うなじの辺りで縛っている男の子?女の子?どっちか判らないけど、すごく綺麗な子だった。
「それを渡してください」
あの子が持っている“ジュエルシード”に気付き、私は渡すように言う。そしたら、その子は私を見てとても驚いていた。それに“シェフィ”という言葉。名前だろうか? でも私の名前ではないことは確かだ。もう1度渡すように言うと断るって言ってきた。それを聞いたアルフは倒して奪おうと提案してきた。
「・・・本当は戦いたくないけど仕方ありません。力ずくで貰っていきます」
仕方ないけど母さんのため、私は・・・戦ってでも“ジュエルシード”が欲しかった。ソレは母さんが、私に求めているものだから。
「・・・バルディッシュ」
≪Scythe form,Setup≫
――ブリッツアクショ
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