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ゼロの使い魔 新たなる物語
第3話 決闘
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てしまう。
「痛いに決まってるじゃないの! 当たり前じゃない、なに考えてるのよ!」
 そう言うルイズの目から、今度こそ涙がこぼれた。
「あんたはわたしの使い魔なんだから、これ以上、勝手な真似は許さないんだからね」
 そうルイズが言い終わるのと同時に、俺たちの様子を見ていたギーシュの声が飛んできた。
「終わりかい?」
「……ちょっと待ってろ。休憩だ」
「サイト!」
「そうかい……なら……」
 ギーシュが薔薇の花を振り、ゴーレムが現れた時のように花びらが俺の目の前に一枚落ちる。そしてそこから、一本の剣が現れた。
「これ以上続ける気があるなら、その剣を取りたまえ。その気がないなら、僕に向ってこう言うんだ『ごめんなさい』、とね」
「……誰が言うかよ、そんなこと」
 俺は目の前にある剣にそろそろと右手を伸ばす。折れているから力が入らないけど、もはや左手も同じようなものだ。なら利き腕を使った方が良い。
 しかし、その右手を、ルイズによって止められる。
「ダメ! 絶対にダメなんだから! それを握ったら、ギーシュは容赦しないわ!」
「……俺は元の世界には帰れねえ。ここで暮らすしかないんだろ」
 独り言のような声の大きさでルイズに言う。
「そうよ! それがどうしたの! 今は関係ないじゃない!」
 ……分かってない。ルイズは分かってない。
「使い魔でもいい。寝るのは床でもいい。メシは不味くたっていい。下着だって、洗ってやるよ。生きるためだ。しょうがねえ……でも――」
「でも、何よ……」
「――下げたくねえ頭は、下げられねえ!」
 ルイズの手が邪魔なので、左手で最後の気力を振り絞り、剣を握った。
 その瞬間、俺の左手に刻まれたルーン文字が光りだした。
(なんだ……!?)
 俺は剣を握った後、驚きが隠せなかった。
 剣を握った瞬間、体の痛みが消えたからだ。
 それに左手のルーンが光っていることも気になる。
 けれども、それらの事をあまり気にしても始まらないので、そのまま剣を抜いて持ち上げた。
 ――体が羽のように軽い。まるで空でも飛べそうだ。しかも、剣がまるで自分の体の延長のようにしっくりと馴染んでくる。
 不思議だ。剣なんか握ったこともないのに。
「まずは、褒めよう。ここまでメイジに楯突(たてつ)く平民がいることに、素直に感激だよ」
 そして、手に持った薔薇を振った。……どうやら、あれが魔法の杖らしい。
 そんな事を考えられることに驚いている間に、あることに俺は直感する。
 ――負ける気がしない。
 そう、負ける気がしないのだ。さっきまであれだけボコ殴りにされて、体もボロボロなのに、全然自分が負けるイメージが出来ない。
 なので、
「なあ、キザ野郎」
「ふっ、今更(いまさら)()()ずいたのかい
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