第3話 決闘
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……まあ、この国の人間じゃないんだ。日本っていう、魔法が無くても全然困らない国からルイズに召喚されたんだ」
「……サイトさん、お医者さまをお呼びしましょうか?」
マジでシエスタに頭がおかしい人だと思られたらしい。……そりゃ、今日初めてあった人にこんなこと言われたらそうなるだろう。
「そんなに言うなら、証拠を見せてあげるよ」
だからこそ俺はさっきから電源を起動中だった携帯を開き、シエスタに見せる。
丁度、電源が起動したようだ。
するとシエスタは、昨日のルイズのように驚きの声をあげる。
「うわぁ、何ですか、これ?」
「携帯電話って言って、離れた人と話ができるんだ。……まあ、今は話せないんだけど、これには他にも使いたがあるんだ」
そう言って俺は携帯のカメラをシエスタに向ける。
「えーと……サイトさん?」
「シエスタ、笑って」
「えっと、それってどういう……」
「まあいいから…………はい、ありがと」
俺の言葉に意味が分からなそうにしながらも、一応笑ってくれたシエスタ。ホントやさしいな、この子。
その撮った写真を何気なく保存して、ファイルからその写真を出してシエスタに見せる。
「どう? よく撮れてる?」
「……これ、私ですか?」
「そう」
「す、凄いです! あの一瞬でこんな絵が描けるなんて!」
「まあ絵じゃないんだけどね。……シエスタも撮ってみる?」
「わ、私にも出来るんですか!?」
「ああ」
そうして俺はシエスタに写真の撮り方を教えて、シエスタは何枚か写真を撮る。
数分経ち、俺に携帯を返したシエスタが本当に驚いたような声で言った。
「こ、こんな道具があるなんて……ほ、本当に違う世界から来たんですか?」
「うん。だから俺にこの世界の事を少しでいいから教えてくれない? ルイズから少しは聞いたんだけど、貴族は偉いだなんだのばっかりで腹が立っちゃって……出来れば貴族以外での世界の暮らしについても知りたい」
これは俺の本心だ。なんてったって、あのルイズの知識だけじゃ魔法の使えない俺が暮らしていけるか不安だったからだ。
まあ、ルイズも俺の事を使い魔だと言っているから殺しはしないだろうけど……この世界で生きる以上、平民の生活も知っておいた方が良いと思ったんだ。
「わ、分かりました。未だに少し信じられないですけど、あんな道具見たことないですし……と、とりあえず、説明はしてあげます」
「ありがとう、シエスタ。……俺、こっちに来てからこんな優しくされたの初めてだよ」
「そ、そんな、大げさな……」
「大げさじゃないよ。俺に何かできることがあったら言って。なんでも手伝うよ」
ルイズの下着洗いはイヤだけど、この子には何か手伝いでもしないと気が済まないくらいだ。
「そ、そうです
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