一部【スサノオ】
十三章【最初の壁】
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立っているだけでやっとのクラウリーは間違いなく強制ログアウト。
それに零は気づくと躊躇うことなくクラウリーの前へその身を移し、自らを盾にする。
その行動に損得勘定などなく、ただクラウリーを守りたいという一心。
「やめて零っ!2人ともやられますわっ!!」
「それでもっ…見捨てられないですよっ!」
まさに再び針が放たれようとしたその瞬間、マスティフの左前足に3発の銃弾が浴びせられた。
ピンポイントに3発の直撃は、マスティフに傷を与えられないまでも、そのバランスを崩すのには十分。
マスティフは足を滑らせその場に倒れる。
「間に合ったな…」
マスティフの後方には、オズワルドをエクステンドしたジャックの姿。
「うぁぁっ!!」
叫びと共に身体を踊らせる零。
その一振りはマスティフの左目を切り裂く。
「やりました…わね!」
しかし、痛みに悶えながらもマスティフは的確に零を狙いその腕で薙ぎ払う。
「ぐっ…」
そのまま勢いに任せ地面を滑走する零。
マスティフは体勢を立て直すと、零へと追撃を行おうと足を踏み出す。
「させるかよっ!!」
しかし、それを許さぬジャックの射撃。
それは再びマスティフの足を仕留めバランスを崩させる。
「いくら硬くても…ピンポイントならっ!」
ジャックは左前足へと、寸分たがわぬ狙いでピンポイントに弾を放つ。
幾重にも浴びせられる銃弾に、ついに撃ち抜かれるその足。
マスティフは痛みで断末魔を上げ暴れまわり周囲の物という物を切り裂き薙ぎ倒す。
「きゃぁっ!」
「あぶねぇっっ!」
そのマスティフの乱舞が近くにいたクラウリーに届こうとしたその時、ジャックはクラウリーを抱え地面へと倒れ混んだ。
「あら、格好いいじゃないですの…」
「うっせ…ふざけてる場合じゃないんだよ」
クラウリーから慌てて離れ、立ち上がるジャック。
一方マスティフは撃ち抜かれた足を引きずりながらも、その瞳には一層の闘志を宿していた。
「最初の予定とは大きく食い違っちまったけど…なんとかいけそうだな」
「ジャックさん…俺が囮になりますから、もう片方の足を」
「分かってるよ」
静かに頷くジャックを見て、一気にマスティフへと突っ込む零。
マスティフは飛び出した零へと反応し、3本の足で地面を蹴り迎え撃つ。
「ぐうぅっ!」
繰り出されたマスティフの右前足の一撃。
零はそれを勢いに押されながらも剣で受け流すと、不安定な体勢なままマスティフ懐へと潜り込みその胸元のコアを狙う。
しかし、その不安定な一撃など届くはずもなく刃はコアの少し横をかすめ、そのまま零は転倒してしまう。
急所を狙われた怒りから勢いをそのま
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