一部【スサノオ】
十三章【最初の壁】
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は巨大な盾となりジャックの銃弾を跳ね返す。
「「ッ!?」」
《何でもアリかよッ!》
確実にいけたと確信していた3人を襲う失望感。
その次の瞬間、マスティフはタテガミを逆立たせたまま姿勢を低くする。
「何かするつもりですわ!零ッ、離れますわよ!!!」
「はいっ!」
エクステンドを解き後ろへと飛び退く零とクラウリーだったが、その行為はマスティフの攻撃には何の支障もなく…。
逆立てたタテガミの毛の一本一本が鋼の針のように硬化しており…マスティフそれを全周囲へと放ったのだ。
「くぅッ!」
「うわっ!!!」
全身へと容赦なく襲いかかる無数の針。
何とか武器でそれを防ぐも、その数は防ぎきれるものではなく…腕に足に顔に全身に痛々しい生傷を作り上げる。
「チクショ…」
膝をつきマスティフを睨みつける零だが、その意志に身体が付いてこない。
あくまでナノマシンで作られた零達の使う素体から痛みが直接その使用者であるユーザーへと伝わるわけではないが、それでも多少の痛覚はある。
そして、その痛覚は身体を動かそうとする度に使用者である零たちへと危険だと信号を送る。
《おい、生きてるか!?》
「何とか…ですわよ…」
「攻撃も通らないし攻撃力もシャレにならないなんて…圧倒的じゃないですか…」
何とか立ち上がる二人だが、その足はガクガクと震えまともに立つことすら困難だった。
しかし、そんな姿にもお構いなしに次なる攻撃を繰り出すマスティフ。
「冗談でしょ…!」
狙われたのはクラウリーだった。
一直線にクラウリーへと飛び掛かるマスティフ。
その右腕は凶悪な爪を剥き出しにしクラウリーの頭部を切り裂こうと迫る。
《させるかよ…》
再び湖畔へと響く銃声。
ジャックの銃口から放たれた弾丸はその一撃を止めるに至らずとも、クラウリーの回避を間に合わせる程度には効果を発揮した。
たった一振りによりボロキレへとその姿を変えるクラウリーの帽子。
直撃していれば確実に強制ログアウトだった。
だが、その一撃を回避した事に安心する暇もなくマスティフはそのまま当身でクラウリーを吹き飛ばす。
「キャァッ!!!」
ゴッ、という鈍い音と共に木へと叩きつけられるクラウリー。
「このッ!」
クラウリーを吹き飛ばしたその調度直後、零は飛び上がりマスティフの左目を狙う。
「ジャックさん!」
《任せろっ!》
説明もなく、息の合った2人の連携は見事にマスティフの右と左目をとらえた。
が、しかし湖畔に響く音は双方の攻撃が虚しく弾かれた音のみ。
「フロンティア1に居ていいネイティブじゃないですよ…コイツ」
《やっぱ化け物だな…》
何をした
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