第二話 HeavensDoor
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れば高いやつほど、このゲームでは強くなるだろう。
だからこそ、私は速さを、徹底的に上げる。
高速移動系のスキルは全て既に300を突破した。
スキルレベルの限界が1000のこのゲームで、第二層においてここまでのものは私しかいないだろう。
レベルにおいて上げるステータスも基本的に素早さにしか振ってない。
寧ろこのゲーム、レベルアップボーナスのステータスアップは筋力と俊敏にしか振り分けが出来ない。
しかも1レベル上がる毎に3のみだ。
その中のほぼ全てを俊敏に振り、アップした数値だけで40を超えてる私を抜ける者は早々いない。
しかし私の名前が公に出ることはない。
PKである、この私が。
出会ったものは基本的に殺すこの私が。
天国に誰よりも近い、私が。
攻略するしか脳の無い、生きることしか考えていない、のうのうと過ごすことしか考えていない、そんな、地を這う者達に、認知できる筈など、無いのだから。
「ひぃ! やめろ! やめろ! 死んだら、リアルで……!」
目の前で必死で逃げているやつが、そんなことを吼える。
リアルで死ぬ、なんてことはとっくにわかりきっていること。
それを承知で、こちらはそれをやっているのだから、物分りが悪いやつだ。
「そ、そうだ! 交渉だ! 交渉! 俺の有り金と、装備品全部渡すから! アイテムも渡すから!」
その交渉に、私は一度だけ足を止め、一言だけ口にする。
「目の前に置け」
私のその言葉に、相手は顔を明るくし、嬉々として、アイテム類を全て目の前に差し出した。
全て売り切れば100kは硬いというところか。
なるほど、確かに上物だ。
「こ、これで見逃して」
目の前のヤツが、そう言いながら逃げようとしたその瞬間に。
私は、片手から出した三本のナイフを相手に向かって投擲した。
当然、ナイフは相手の体に突き刺さり、相手のHPが0になる。
「な、なんで……?」
ただ、わけがわからないという顔をしながら消えるソイツを横目に。
私はソイツが置いていったアイテムを全て回収した。
「別に、見逃すとは一言も言ってないからな」
誰に言うわけでもなく、口にしたその言葉に。
ただ一人、反応した人物がいた。
私と同じ、オレンジカーソルの人物。
私はコイツを知っている。
「相変わらず素晴らしい手口だな、『HeavensDoor』、いや、『天国の扉』、と言った方がいいのかな?」
私の名を口にする、フードを被ったその人物に、私はしばし無言のまま視線を向けた後。
「一層以来か。 何の用だ? 私はあまり群れるのは好きじゃないものでな、貴様のギルドには参加しない」
そう口にし、懐から何本かのナイフを取り出し、刃を向けた。
「そう脅かすな。 今回の本題は
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