第二話 HeavensDoor
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、ゆっくりと、言葉を喋った。
「いや……敵はまだ対処できたんだけど……もっと厄介なのと出会ってね……」
そこで一度区切った後。
小さく吐き出すように、けれど、はっきりと、耳に残る声で呟いた。
「PKに狙われたんだ……まさか、こんな早くからいるとは思わなかったよ」
PK……!?
おいおい、まだ二層、みんな低レベルだってのに……PKだと!?
「マジかよ……」
俺が唖然としていると、隣にいた桜花が首を傾げながら、俺へ向けて聞いてきた。
「アルス、PKって何? サッカー?」
「いや、違う。 そんなスポーティなもんじゃない……。
PKってのは、プレイヤーキラーの略だ。 まぁつまるとこ、相手のキャラクターを殺すってことだな……」
俺がそう言うと、桜花は暫く固まり、考えたように首を何度か右に左に傾けた後。
「え? でもSAOでキャラクター殺したら、中の人も死んじゃうんじゃない?」
「……まぁ、そうだ。 というか、それが大問題だ。 このゲームの初め。
チュートリアルでHPが0になったら人生から永久退場するって宣告されておきながら、そんなことをするやつは……。
マジな殺人鬼ってことだよ……!」
もしくはマジで現実と空想の区別がついてないシュミュレーテッドリアリティに陥ってるやつのどっちかだ。
どっちにしろ、正気の沙汰じゃない。
「しかしまぁ、よく生き残れたな……低レベル同士だと厳しいもんがあるだろ……」
俺がそう口にだすと、サニーさんは大きく息を吸った後、特大のため息をついて、力が抜けたように、その場に座った。
「いやぁー、ホント、厳しかったよ! でもこっちは2人だったし、ホイミ氏がうまく盾役をやってくれたお陰で、逃げ延びたよ!
盾役はホント必須だね! あっちは素早さスキル上げてるみたいでやたら早かったし、武器が投擲メインだったから、槍でも厳しかったよ。
ああ、できればこのコトはあまり言いふらさない方がいいかも。 ゲーム内の不穏を誘っちゃうし」
サニーさんは少しだけ声のトーンを下げながらそう口にして、人差し指を口に当てた。
ああ……そりゃあ厳しいな……それに、言いふらさないことにも賛同だ。
そんなのがいるってわかったら、一般プレイヤーが混乱に陥る可能性もある。
しかし、生きていたからこそ、こんな会話が出来るものの、死んでたらマジで洒落にならなかったな……。
そう思っていると、ホイミが唐突に泣き出した。
「本当に、死んじゃうかと思った……! 僕、まだ死にたくない! ゲームの中で死にたくない! 生きて現実に帰りたい!」
そう泣くホイミに、周りから視線が集まる。
まさかPKのことなんかとは思わないだろうが……俺が泣かせたみたいで、なんか気まずい。
正直、ここで優しい言葉でもかけて
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