TURN106 ウラル星域会戦その六
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「いつも言っているわね」
「レッドファランクスならですね」
「それならば」
「そう、ではいいわね」
穏やかだが確かな言葉だった。
「引き続きこのまま攻めるわ」
「わかりました」
レッドファランクスの面々はこれで冷静さを取り戻した、それでだった。
その鉄鋼弾攻撃に移る、無数の鉄鋼弾が大和達に遅い掛かる。
だがそれでもだった、今度もだった。
バリアで防がれる、レッドファランクスの攻撃は全く通じなかった。海賊達はその状況を観て愕然となった。
「何と・・・・・・」
「攻撃が全く通じない」
「枢軸軍はどういった兵器を導入したのだ?」
「我々の攻撃を許さないとは」
「全て防ぐとは」
「一体どうなっているのだ」
「訳がわからないぞ」
攻撃が全て通じないのではだった、彼等も狼狽するのも当然だ。スカーレットとコロネアは違うが彼等はそうだった。
そこに一瞬の行動の空白が出来た、そしてそれを見逃す枢軸軍ではなかった。
日本はそのレッドファランクスを観て東郷に言った。
「司令、今です」
「ああ、敵の攻撃は全て防いだ」
「それではですね」
「今度はこちらの番だ」
反撃に転じるというのだ。
「そうするとしよう」
「では今から」
「とはいっても皆もう動いてくれているな」
観れば精鋭艦隊十個艦隊は既にレッドファランクスを包囲していた、そのうえで。
彼等は東郷の命令を待っていた、東郷もすぐに言う。
「総攻撃だ」
「では」
「勝敗はここで決する」
レッドファンランクスとのそれがだというのだ。
「今決めよう」
「了解です」
日本は東郷の言葉に敬礼で応えた、そうして。
精鋭十個艦隊の攻撃が来た、包囲され驚愕で隙を見せていたレッドファランクスにそれをかわす手立てはなかった。
忽ちのうちに次々と撃沈されている、それこそは。
「馬鹿な、我々が負けるのか」
「我等レッドファランクスが」
「敗れるというのか」
「今ここで」
「お嬢様、大変です」
コロネアがすぐにスカーレットに言って来た。
「将兵の動揺を抑えられません」
「ええ、そうね」
「ここはどうされますか」
「完全に包囲されているわね」
最早誰も目にも明らかだった、今レッドファランクスは完全に包囲されていた。
しかも敵の攻撃で次々と沈められている、それではだった。
「こうなってはね」
「敗れますか」
「これ以上戦ってもね」
損害を増やすだけだというのだ。
「だからね」
「それではですね」
「降伏よ」
最後の最後の選択肢、これを選ぶしかなかった。
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