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ヘタリア大帝国
TURN106 ウラル星域会戦その五
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「あの旦那はそんなタマじゃねえ」
「そういうことよ」
「じゃあ何でなんだ」
「さてね、あいつの考えは時々わからないけれどね」
「けれどここはか」
「ええ、何か考えがあるのよ」
 それは間違いないというのだ、具体的にはどういう考えかわからないが。
 レッドファランクスの集中的なビーム攻撃が第一艦隊に突き刺さった、かに見えた。
 しかしここでだった、司令室にいた真希の身体が光った。それと共にだった。
 第一艦隊にあのバリアがかかった、それでだった。
 レッドファランクスの攻撃が全て防がれた、この事態には。
 レッドファランクスの精鋭達、スカーレット自らが鍛え上げた彼等が驚きの声を挙げた、まさにそうした事態だった。
「なっ、我々の攻撃が通じない!」
「馬鹿な!」
「ビームを全て防ぐだと!」
「どういったビームバリアだ!」
「お嬢様、これは」
 コロネアは流石に動じない、そのうえでスカーレットに問うた。
「どういうことでしょうか」
「ビームバリアね」
 スカーレットは冷静にそれだと断定した。
「そのせいよ」
「ビームバリアですか」
「今枢軸側の技術は格段に上昇しているから」
「そういえば本当に急にですね」
「ええ、兵器の性能を上げたわね」
「噂ではドクツの科学者も大量に亡命している様ですし」
 さしもの彼女達もまさかレーティアが亡命しているとは思っていない、それでスカーレットですらこう判断したのである。
「だからですね」
「そう思うわ」
「そうですか」
「大和に突貫工事でかなり高性能のバリアを装填したのかしらね」
「敵もさるものですね」
「全くよ、ただね」
 それでもだとだ、スカーレットはまだ自信を持っていた。
 そのうえで今度はだった。
「攻撃はビームだけではないわ」
「連続攻撃で、ですね」
「第一艦隊さえ倒せば戦争自体が決まるわ」
 そうなるというのだ。
「だからこそね」
「まずは第一艦隊ですね」
「それでは」
 こう話してそしてだった。
 ビームからすかさずだった、ミサイル攻撃に入った。敵に攻撃の機会を与える隙もなかった。
 今度はミサイルが向かう、だが。
 そのミサイルも防がれた、しかしそれでもスカーレットは冷静だ。
 沈着な物腰で再び指示を出した。
「次は鉄鋼弾よ」
「あの、首領ですが」
「あの艦隊に攻撃は通じないのでは」
「見たところ全く」
「ビームもミサイルも」
「攻撃が通じない艦隊はこの世に存在しないわ」
 スカーレットはこの常識から答えた。
「絶対にね」
「では、ですか」
「再びですね」
「攻撃を仕掛けますか」
「今度は鉄鋼弾で」
「そうするわ」
 部下達に冷静なまま答える。
「何があっても落ち着くのよ」
「了解です」

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