暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep4天秤の狭間で揺れし者〜4th Testament〜
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を具現化させた。戦闘甲冑というのは、生前に参加していた大戦における、魔術師としての戦闘用の衣服だ。
「シャルちゃん、ソレ・・・バリアジャケット・・・!?」
「魔術師にもそういうのがあったんだ」
なのはとユーノがこの姿にとても驚いているようだけど気にしていられない。そして間違っても“テスタメント”の外套と神父服――聖衣は具現化させない。
何せルシルが着ているのだし。今そんなことをしたら、ルシルと私が同じ側の存在だって気付かれるに違いないから。ルシルは変声魔術を使っていることから、自分の正体をこちらに明かすことを嫌っているようだし、私も彼の仲間と思われて、なのは達に嫌われるのはどうしても避けたい。全くもって面倒事ばかりが現れる。
(それにしても・・・どう戦おうかしらね?)
彼は大戦当時、あらゆる神器を複製し操ったことから“神器王”と謳われ、そのうえ彼個人の有する火力があまりにも絶大ゆえに“孤人戦争”とも恐れられた。そして今は“テスタメント”の11柱の内、最強とされる黒き第四の力の座にいる。
だけど私と同様に、おそらくルシルも世界から何らかの制限を受けているはずだわ。その証拠に私の目の前に突き刺さる“グングニル”からは微弱な魔力しか感じられない。形を似せているだけの、“神器”ですらない魔道具と言ったところかしらね。
(ルシルは反則の塊であるから尚更、幾重にも能力が封印されていると思いたいわね)
思考を巡らせる中、ルシルが私たちに向かって声を掛けてくる。
「残念だけど、君たちは私ひとりを相手に戦ってもらうね。フェイトとアルフはジュエルシードの封印を優先すること。いいね?」
きちんと女の子喋りだ。演技も徹底しているわね。それにルシルも私と同じ考えのようだわ。魔導師は魔導師同士で、魔術師は魔術師同士で。
「(やはりそう来るわけね。ならこちらも・・・)なのはとユーノも封印に向かって!」
「でも」
「いいから早く!」
「っ!・・・気を付けてね、シャルちゃん! 行こう、ユーノ君!」
「う、うん!」
なのはが何か言おうとしたけど、ピシャリと制する。なのはは、納得は出来ていないけど、という風に頷いて、黒の娘とオレンジ狼の元へと向かう。2人が行くのを見届けようとしたところで・・・
「我が手に携えしは確かなる幻想」
そんな言葉が耳に届き脳に浸透する。ルシルが今まで召喚されて、そしてその世界で気に入って複製してきた武装、もしくは術式を使用する際に発する呪文だ。駆け出していたなのは達の足元に大きな光の紋様が現れ、なのは達がそれに気付いて立ち止まる。
――ブリッツアクション――
けれど、いつの間に移動したのか、真後ろに立っているルシルには気付いていない。それはダメだ。防御な
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