暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep4天秤の狭間で揺れし者〜4th Testament〜
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敵対しての邂逅は今回が初めてではないけど、今回の契約のように“力”が制限されている中での出遭いはまさしく最悪としか言いようがない。ただひたすら祈るしかない。ルシルもまた、私と同じ以上に制限されていることを。

†††Sideシャルロッテ⇒フェイト†††

「大丈夫かい、フェイト?」

アルフが私を背に乗せながら聞いてきたルシル。正直危なかったとしか言いようがない。白い子に関しては敵じゃないけど、水色の髪の子は桁違いに強い。私の攻撃が全てあの剣によって切り捨てられてしまった。

「なんとか」

しかも私を、白い子が放つ魔力弾の射程圏へと誘導するあの動き。おそらく私じゃ勝つことは不可能だと思う。バインドに縛られたところを、すごく良いタイミングで助けてくれたアルフと、新しく仲間になったルシルに助けられなかったら・・・。

(間違いなく撃墜されていた・・・!)

「頑張ったけど少し惜しかったね。戦場で焦って冷静な判断が出来なくなると、意図も容易く崩れ去る、忘れないように」

少し落ち込む私に何かいい言葉でも掛けてくれると僅かに抱いた期待を、ルシルはわざわざ変声の魔術(魔法じゃない)を使ってまで、労いとダメ出しの言葉を掛けてきた。あんまり自分という存在が明るみに出るのは良くないから、声と名前を変えることにしたとう事前に決めた話通り。

(でも今はダメ出しの方はあまり聞きたくないかも)

さらに落ち込みながらそんなことを思う。私の使い魔であるアルフにバインド引き千切ってもらい、ようやく解放される。

『ごめん、アルフ、ルシル。1人で大丈夫って言ったのに・・・』

『気にすることはないよ、フェイト。私は使い魔なんだから、そうだろ、ルシル?』

『ん? 当然だな。俺はフェイトとアルフを手伝うと決めているから、助け合うのは当たり前だよ、フェイト』

『うん、ありがとう』

2人の思いに心がすごく温かくなる。さて、アルフとルシルが来たからもう負けないよ。

「今度こそジュエルシード、いただいていきます」

何故かは知らないけど呆けてしまっている水色の子に再戦を申し込む。

†††Sideフェイト⇒シャルロッテ†††

まずい展開だわ。ルシルが敵に回ったとなると悠長に構えてはいられない。

「なのは! ユーノ! 悪いけど金髪と狼の2人は任せる! おそらく私は仮面の相手で手一杯になるはずだから!」

2人の返事を聞く前に、私はなのはと同じように変身する。全体的に白となったフレアードレス。白で統一されたインナースーツは、前立てのラインが蒼。上まで閉められたファスナーの飾りには桜の花弁が施されている。アウターは白いショートジャケット。そして白銀の籠手と脚甲。
現代の魔法で言うバリアジャケット、戦闘甲冑
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