闇の声
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
魔法評議会会場、ERA。
その会場の廊下で、クロノはポケットから取り出した小型通信用魔水晶でとある人と通信していた。
「あー、もしもし?俺だけど、今時間あるか?」
『えぇ、ありますけど・・・どうかしました?』
「少し調べてほしい奴がいんだよ。お前の情報網なら簡単に調べられるんじゃねーかと思ってさ」
『場合によりますけどね。それで、今回は誰を調べればいいんですか?』
通話越しの声はまだ幼げで、少女の声だ。
「ジェラールって奴だ。性別は男。名前以外の素性は全て不明」
『ジェラールさん・・・ですね。ラストネームも解りませんか?』
「あぁ、すまねぇな。調べられそうか?」
『やってみないと解りませんが・・・もし情報があるようなら、いつも通り画像魔水晶に画像を転送しますので』
「わーった。無理すんな、出来る範囲でいいから」
『はい、了解です』
「んじゃ、任せるわ。そんじゃーな―――――――――バンビ」
魔水晶の通話を切り、ポケットにねじ込む。
柱の1本に寄り掛かり、何かを考える様に目を閉じ、少し歪んだ笑みを浮かべた。
「さぁ・・・いつまで『ジークレイン』でいられっかな?」
「・・・クロノさん、また私の事『バンビ』って。何度言ったら私はバンビじゃないって覚えてくれるんでしょう」
クロノからの通話を切り、少女は少し拗ねたように呟いた。
魔水晶を机に置き、手作り感満載のパッチワークバックから薄い魔水晶を取り出す。
2つ折りの魔水晶を開き、電源を起動させ、カタカタと決められたパスワードを打ち込む。
『MAPLE』
そのパスワードを打ち込みキィを叩く。
可愛らしいトップが浮かび上がり、慣れた手つきで魔水晶を操り、とある画面が映し出される。
『フィオーレ王国全人口人物情報』
その文字の下をクリックし、あいうえお検索から名前を探す。
希望の名前を探し始め、少しして手の動きが止まった。
「・・・見つけた」
キャラメルカラーのセミロングを耳にかけ、少女は微笑む。
そこにはクロノから頼まれた『ジェラール』の名があった。
「反乱だーーー!」
「鎮圧しろーーー!」
楽園の塔の奴隷達と大人達、2つの集団がぶつかり合う。
「狂犬ウォーリー様をなめんなァ!」
「こっちはテメェ等のおかげで鍛えられてんだ!」
武器を奪ったウォーリーが武器を振り回し、シモンが男の顔に蹴りを決める。
「こいつ等ふざけやがって!」
「皆殺しだ!」
「歯向かう奴は全員殺せー!」
物騒な言葉を叫びながら、大人達は剣や槍
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ