闇の声
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流しながら、叫ぶ。
「シモンを安全なトコに!エルザ!一旦退くぞ!」
ロブの事が大好きだったウォーリーも涙を浮かべる。
が、今ここで魔法兵相手に立ち向かえる人間は、奴隷達の中で魔法を使える人間は誰もいない。
目には目を、歯には歯を、魔法には魔法を・・・だが、肝心な魔法が奴隷側にはないのだ。
「ああああああああああ・・・!」
エルザはロブの傍で泣き叫ぶ。
・・・すると、カタカタと、地面に落ちた剣達が動き始めた。
「!」
「エルザ!?」
「あああああ・・・!」
エルザはただ泣き叫ぶ。
剣がふわふわと宙に浮く。
「あぁああぁああぁっ!!!!!!」
エルザの叫びに反応し、地面が割れた。
魔力が溢れ、叫びに反応し、落ちていた武器が浮いていく!
「え!?」
「武器が浮いて・・・」
「向かってくる!?」
それを目で確認し、驚愕した瞬間・・・
「ぐぁ!」
「ぎゃあ!」
「ぶふぉ!」
宙を舞う武器は、容赦なく魔法兵を襲った。
ギュウウ、と舞う武器は向きを変え、他の場所にいた魔法兵も容赦なく襲っていく。
「え!?」
「いぎゃ!」
「た・・・助け」
「うあぁ!」
槍の雨が、魔法兵に降る。
へたっ、とエルザが座り込み、叫びすぎで疲れたのか荒く息をし、後ろにいた奴隷達はあまりの出来事に言葉を失った。
エルザは涙を流す目で、自分の掌を見つめる。
「す・・・すげ・・・魔法兵があっという間に」
「姉さんが魔法を・・・」
ウォーリーとショウが嬉しそうに呟く。
「これが、魔法・・・」
呟いて、力強く拳を握る。
(いける!この力があればジェラールを助けられる!)
立ち上がり、涙を拭う。
(そしておじいちゃん!私は自由を手に入れるよ)
もう2度目を覚まさないロブを見つめ、エルザは正面を見据えると、持っていた剣を高々と掲げた。
「ついて来い!!!!!」
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