闇の声
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「だ・・・誰だっ!?どこにいる!?」
―わざわざ復活・・・『肉体』をくれるというのか・・・−
禍々しいオーラがジェラールに近づいていく。
そのオーラは徐々にジェラールを包んでいった。
―いくら信じても無駄な事・・・強い憎しみが無くては、余の存在を感じられぬ―
「出て来い!」
―うぬは運が良いぞ、小僧・・・奴等の崇める神に会えたのだ―
傷だらけのジェラールを包み込むように・・・怨霊が、亡霊が、ジェラールに纏わりついた。
―我が名はゼレフ。憎しみこそが我が存在―
楽園の塔では、大量の兵達と奴隷達が戦っていた。
「今日中に第8セクターまで解放する!皆、頑張って!」
「無茶だ!あそこは兵の数が多い!」
「だって!早くジェラールを助けないと!」
エルザの言葉にシモンが叫ぶが、エルザの信念は揺るがなかった。
彼女は自由を手に入れると同時に、ジェラールを助けたいのだ。
見つかったら大変だというのに、自分を助けに来てくれたジェラールを。
「脈なしだな。シモさんよォ」
それを聞いたウォーリーはシモンを茶化すように呟くと、そのウォーリーを押し退け、シモンがエルザに近づいた。
「エルザ、お前ジェラールの事好きなのかよ!」
「は?こ、こんな時にな・・・何言ってんの!?そんな話、今は・・・」
そう。
シモンはエルザが好きだった。
が、エルザの目に映るのは常にジェラールで、いつかは聞いてみようと思っていた事だったのである。
「俺は、お前の事が・・・」
シモンは必死に言葉を紡ぐ。
ここが普通の場所―――――少なくとも、剣や槍が飛び交う戦場でなければ、告白も出来るだろう。
が、ここは自由を手に入れる為に奴隷達が創りだした戦場なのだ。
「す・・・」
―――――――シモンがエルザに、完全に想いを告げる事は不可能だった。
エルザの目の前で、シモンは突如飛んで来た魔法弾を喰らってしまった。
エルザが、ウォーリーが、他の奴隷達が目を見開く。
「魔法兵だー!」
「シモーン!」
戦場に、魔法の光を灯した武器を持つ魔法兵がやってくる。
ミリアーナがシモンに声を掛けるが、魔法によって黒焦げになったシモンはピクピク痙攣するだけで何も言わない。
「ぎゃっ!」
「うあ!」
「ぎゃああ!」
突然の魔法兵の登場に、他の奴隷達も倒されていく。
「て、撤退!一時撤退だ!魔法には敵わん!」
奴隷達が持つのはただの武器。相手が持つのは魔法の武器。
力の差は歴然。ただの武器では魔法には勝てない。
が、エルザは諦めなかった。
否、彼女は諦める訳にはい
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