変態と紳士の境界線上 その二
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思われる文章を読んだ後、
「テスト稼働は中止だ。お前たちにやってもらいたいことがある」
俺たちを見てそう言った。
『福音』戦の始まりである。
旅館の一番奥、宴会用の大座敷・風花の間に設けれた特殊任務用の対策室に、俺たちは場所を移した。
部屋の照明は落とされ薄暗い。
その部屋の中で、空中投影モニタと何台かのパソコンが光を放っている。
畳の上にも四畳ほどはありそうな、俺たちのいる地域を中心とした戦術用マップが畳の上に浮かぶように投影されていた。
この部屋にいるのは、織斑先生と山田先生。
それに他三名の先生と専用機持ちのメンツだ。
一夏、俺、鈴、セシリア、篠ノ之、シャルロット、ボーデヴィヒの順で反時計回りで戦術用マップを囲むように座っていた。
織斑先生は俺たちの顔をひとしきり眺めると、話を聞く準備が整ったと判断したのか話し始める。
「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型IS、シルバリオ・ゴスペル、通称『福音』が制御下を離れて暴走。監視空域を離脱したと連絡があった。情報によると無人のISということだ」
え? 『福音』が無人機? ということは、アニメ準拠か。
そう言えば、原作では集合場所に一緒に居たはずの山田先生がいなかったな。
あれはてっきり、朝のことが原因で集合場所に居ないのかと思ったが、そうか……違ったんだな。
「その後、衛星の追跡の結果、『福音』はここから二キロ先の空域を通過することが解った。時間にして五十分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処することになった。教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう。これから作戦会議を行うが、意見をがある者は挙手をしろ」
さっそく手を上げたのはセシリアで、『福音』の詳細なスペックデータを要求していた。
織斑先生は了承の意味を込めて頷くと、
「だが、決して口外するな。情報が漏洩した場合、諸君等には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる」
そう警告をした
空中モニタに『福音』のスペックデータが表示去れると、それぞれの意見を話し始めた。
セシリアは広域殲滅を目的とした特殊射撃型で自分と同じオールレンジ攻撃を行えると言っていたし、鈴は攻撃と機動の両方に特化した機体で厄介だとか、シャルロットはこの特殊武器が曲者って感じはするだとか、ボーデヴィッヒはデータ上では格闘性能が未知数だから偵察は行えないのかと織斑先生に聞いていたが、ボーデヴィッヒの言葉を否定した。
「それは無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だろう」
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