キラーパンサーに転生
16ラインハットのお城と王子さま
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うん、やっぱりゲームとは違うみたい。
あたしをいじめたバカな男の子たちと歳はあんまり変わらないと思うけど、すごく落ち着いてて優しそう!
王子さまだからかな、見た目もなんだかカッコいい気がするし!
うん、あの子たちとは全然違う!
こんな子なら、ドーラちゃんの隣にいてもおかしくないかも!
これだけでドーラちゃんに相応しい相手だなんて決め付けたわけじゃないけど、とりあえず第一印象は合格だね、なんてあたしが勝手に考えてると。
「はじめまして、おうじさま!パパスの、むすめの!ドーラ、です!」
ドーラちゃんが、変な区切りかたで自己紹介をし返してました。
あれ、そう言えば。
聞き間違いかと思ったけど、パパスの息子って。
あれ、ほんとにそう言ってたのかな?
「そうか、パパスのむす……むすめ?」
ヘンリーくんが聞き返して固まってます。
……本当に、息子って、言ってたんだ。
……ドーラちゃんが、男の子に見えるだなんて!
ちょっと、どこかおかしいんじゃないの!?
そりゃあドーラちゃんは、旅をしてるから!
町で平和に暮らしてる女の子たちみたいな、派手なおしゃれはしてないけど!
だけどそれを差し引いても負けないどころか完全に勝っちゃうくらい、ドーラちゃん自身が可愛いのに!!
なんで?王子さまだから?
派手に着飾った女の子を見慣れてるから、そうしてないと女の子に見えないの?
……許せない!
こんなに見る目のない人に、例え王子さまでもドーラちゃんは渡さないんだから!!
第一印象は合格かと思ったけど、勘違いでした!
不合格です、あり得ません!!
今すぐにも飛びかかって引っかいてやりたい気持ちをなんとか抑えてあたしがおとなしくしてる間にも、自分が女の子だと主張するドーラちゃんと、その度に聞き返すヘンリーくん。
あたしの中で、ヘンリーくんの株は下がる一方です。
「わたし。おとこのこに、みえますか?」
「……いや」
とうとう痺れを切らしたようにはっきり問いかけるドーラちゃんに、答えるヘンリーくん。
あれ。
男の子に見えてたわけじゃないの?
ならなんで、男の子だと思ったの?
ちゃんと見てないのに、なんで男の子だと思って話してたの?
……ちょっと情状酌量の余地が出てきたけど、でもまだ許したわけじゃないんだからね!
なにかの間違いで男の子だと思い込んでたとしても、ちゃんと見ればすぐにわかることなのに!
あたしの可愛いドーラちゃんを男扱いしたなんて、やっぱりちょっと許せないんだから!
場合によってはやっぱり引っかくことも検討するべきかと身構えるあたしの前で、呟くヘンリーくん。
「……そうか……
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