暁 〜小説投稿サイト〜
問題児が異世界から来るそうですよ?〜あれ?なんか人数が多い?〜
第六話 崖っぷちコミュニティだそうですよ?
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も箱庭に来るだけの理由があったんだろうよ」
「だから、貴女たちの事情なんて特に気にもしない。でも、私たちには黒ウサギが必死に見える」
十六夜と栞の言葉に黒ウサギは俯く。
「黒ウサギ、これ以上は無理だ」
「ルーシャ!」
黒ウサギの背後からルーシャが現れ、十六夜達の前に出る。
「十六夜、申し訳ない。初めからお前たちに本当のことを話すべきだった」
「どういうことだ?」
「黒ウサギ……いいな?」
ルーシャの言葉に黒ウサギは無言で頷く。
「俺達のコミュニティには名乗るべき名が無い。だからその他大勢の意“ノーネーム”と呼ばれてる。そして、コミュニティのデリトリーを示し、コミュニティにとっては命でもある旗印も無い。そして、コミュニティの中核を成す仲間は一人も残ってない。俺と黒ウサギ、リーダーのジン以外は十歳以下の子供だけだ」
「お前はゲームに参加しないのか?見た所、お前と黒ウサギはよっぽど強いように見えるが」
「それは黒ウサギから説明します」
今度は黒ウサギが前に出て説明をする。
「黒ウサギ達、月の兎もとい“箱庭の貴族”は“
審判権限
(
ジャッジマスター
)
”と呼ばれる特権を所持しています。“
審判権限
(
ジャッジマスター
)
”を持つものが審判を務めるゲームではルール違反は即敗北を意味します。そして“
審判権限
(
ジャッジマスター
)
”を所持する代償としていくつかの“縛り”があります。一つ ギフトゲームの審判を務めた日より数えて十五日間はゲームに参加できない。二つ “
主催者
(
ホスト
)
”の認可を取らなければゲームに参加できない。三つ 箱庭の外で行われてるゲームには参加できない。黒ウサギの審判稼業はコミュニティでの唯一の稼ぎでしたので、必然とゲームに参加する機会も少なかったのですよ」
黒ウサギの言葉に一同は納得する。
「ルーシャはどうなの?」
「実を申しますと、ルーシャはこんな下層に居るべき人材ではありません。本来は箱庭のもっと上層に居るべき人材です」
「要するに、実力があり過ぎて下層でのギフトゲームは出来ないってことですか?」
皐の言葉に黒ウサギは頷く。
「ルーシャはその実力から下層での行動はおろか下層に降りることすら許されておりません。ですがルーシャは黒ウサギ達のコミュニティに入るために本来の力を封印しました」
「崖っぷちだな」
「これも全て箱庭の天災、魔王のせいだ」
魔王、その単語に十六夜と栞は反応した。
「魔王!?なんだよそれ超カッコイイじゃねえか!」
「良いネーミングじゃない。そんな者までいるなんて箱庭って本当に素敵ね」
「お前たちが思い描いてる魔王とは少し異なるぞ。魔王ってのは“
主催者権限
(
ホストマスター
)
”っていう特権階級を持
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