暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep2ようこそ海鳴市へ〜Family and friend〜
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父さんのこと? 理由も解からず、最近のお父さんとの話を思い出してみる。考えることおよそ10秒弱、2つの単語を思い返す。
――そうだ、みんな。うちにドイツからの留学生をホームステイさせたいんだ――
「・・・留・・・学生、ホームステイ・・・。あ! もしかしてシャルちゃんって・・・!」
そう、それは1週間くらい前。お父さんがドイツからの留学生をホームステイさせたいって言っていたことを思い出した。ホームステイに関してはお母さんやお兄ちゃん、お姉ちゃんも快く承諾していた。もちろん私もそう。同い年で、同じ学校、私立聖祥大学付属小学校に通うって聞いたから。
驚いた私はシャルちゃんを見つめる。するとシャルちゃんは右手を差し出してきた。握手を求められているんだってすぐに判って、私はその握手に応える。
「クス。改めてよろしくね、なのは、ユーノ」
「うん! うん! よろしくね、シャルちゃん!」
「よろしく、シャル!」
ユーノ君も私と同じようにすごく嬉しそうに言った。新しいお友達、シャルちゃん。アリサちゃんとすずかちゃんともお友達になってほしいな。
†††Sideなのは⇒シャルロッテ†††
どうやら本当になのはの家へ留学生としてホームステイすることになるらしいのよね。衣食住の確保。肉体を持った以上はどうしても必要となる、人間としての生活。それを保証された。全く、この世界の“界律”は用意がいいというか何というか、少し呆れてしまうわ。
「それじゃ案内するから付いて来てね、シャルちゃん」
「ええ。よろしくお願いするわ」
荷物を持ち、なのはを追って神社を後にする。夕陽の眩しさに目を細めながらも街を見渡す。綺麗な街並みだ。もしここが滅ぶような事態に陥るというのなら守りたい。この世界に来て僅か30分弱。それなのに、私はこの街が好きになり始めていた。珍しい。今回の契約に、私はやっぱりどこか期待しているようだ。
(・・・殺戮破壊者の私が言うようなことではないわよね・・・)
何を期待するというの。日常なんて今更求めていいような存在でもないのに。あぁ、本当に愚かしい。私に、日常なんて必要ない。享受してはいけない。それが・・・私の背負う十字架だ。
「う〜。やっぱり怒ってるかなぁ・・・?」
住宅街を歩く中、なのはが溜息を吐いた。確かに陽は落ちているけど、なのはみたいに魔法が使えれば、たとえ悪漢に襲われようとも難を逃れられそうな気もするのだけど。なのはの肩に乗るユーノが「ごめん、なのは。僕がシャルと話し込んじゃったから・・・」申し訳なさそうに謝った。
「それってつまり、私にも責任があると言うことよね? 」
「え? や、違う! シャルには責任はないよ! 僕が時間を気にしていれば良かったんだから!」
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