狂った人形編
愛深き故に命奪う男
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
グッ……痛ぇ、なんだこいつ……? クソっ! ボンボンに育ったせいかめちゃくちゃ痛く感じる……
俺は目だけを右にずらす。あの野郎……俺を少し殴っただけで調子に乗りやがって……そうか、
「クハ、クハハ……そうかそうかぁ……」
相手は口を開かない。ずっと立ちっぱなしでいる。
「久しぶりに感じたんだけどよぉ……これが怒りってもんかぁ、グヘ、グヘヘヘ……」
こいつ……
「痛ぇ、痛えよ……これが痛みか……すこぶる不愉快だなぁおい!!」
コロス!!
狂った人形がまた突っ込んでくる。ナイフを止めて殴ろうとした、その時、
「っ! グアッ!」
左手で殴られる。そしてナイフを差し出してきた。それをよけようとするも腹にかすってしまった。かすり傷とはいえ血がでてくる。そこを手で押さえた。
「クッ……」
「お前も痛みっつーもんを感じたかぁ? すげぇだろぉ? それ、血だぜぇ?」
俺はまた逃げる。しかし学習したのか今度はそれを追って来る。
は、速い……
そう思ったときマッチョから話し掛けられた。
『筋力増加を中断するぞ!』
「!? 何故だ!?」
『俺だってしっぱなしは無理だ! 少し休ませろ!』
「じゃあ、どうすれば……」
『てめぇで何とかしろ!!』
「そんな……」
「なぁにべらべら喋ってんだぁ?」
顔を上げるとそこに狂った人形がいた。
「キヒッ! ほらよォ!!」
「カハッ……!」
「もういっちょぉ!!」
「ウゴォ!!」
「ラストだぁ……キャハハ!!」
「……う、う……」
相手は喧嘩慣れしていないとはいえ連続で殴られるとすごく堪える。
「いやぁ、パンチってのもいいなぁ! 気分がスッキリするぜぇ!!」
喉元にナイフを突きつけられる。
「ま、人間にしては良くやったよ。今楽に殺してやんよ! ギャハハハハァ!!」
クソ、 何か、何かないのか?
今俺は壁に追い詰められている。カバンも遠くにある。……何かいい案は……
そうだ!
「最後に……いいか?」
「あん? 遺言ってやつかぁ!? いいぜぇ!なんでも言ってみろぉ、殺すからよぉ……」
「筋力を最大近くまで上げてくれ。」
「あん? お前何を言って……!」
「オラァァァ!!」
狂った人形のセリフの途中で後ろの壁を思いっきり腕で押した。最大の力で打ち出された俺はもう片方の腕で狂った人形の足を掴む。狂った人形は倒れ込み地面にすごいスピードで引きずられている。
最後は両手で狂った人形を持ち前に自分を守るように出す。そして、
「キギャァ!!!」
狂った人形はものすごいスピードで壁に激突した。
「もういいぞ。元に戻してくれ。」
『ハァ、ハァ、無茶させやがって……』
「すまん、こ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ