暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
1st Episode:
すべての始まりはここから
Ep1海鳴に舞い降りる力〜Testament〜
[9/10]

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く体勢を整えた上で着地した。

(身のこなしはまるで猫のようね・・・!)

私を威嚇するかのように牙を剥いて唸り声を上げている。そして懲りずにまた突進してきた。体勢崩しではなく、打撃による身動き封じにしようかしら。少し可哀想だけれど、下手に時間を延ばして苦しませるよりかはきっとマシだわ。

「来なさい。解放してあげるわ」

突進してくる犬を見据えじっと待っていると、「危ない!」って叫ぶ少女、名をなのはが叫んだ。今までの私の動きを見れていれば、そう心配することもないでしょうに。“キルシュブリューテ”を肩に担ぎ、突進をまた半歩分横に移動して回避。そして“キルシュブリューテ”を、今度は首に差し込むのではなく目と鼻の間を峰で殴打する。すると、ぎゃん!と苦痛の鳴き声を上げ、前足で殴打された場所を押さえてうずくまった。

「今よ!」

「うんっ。なのは!!」

フェレットが叫ぶ。なのはは“ジュエルシード”なる魔法の石を封印するために杖を、未だに痛みで動けない犬へと向けて封印作業に入る。
 
「ジュエルシード、シリアル]Y・・・封印!」

なのはがそう告げる。と、犬から蒼い宝石(ジュエルシードというやつね、アレが)がスッと音もなく抜けて、なのはが持つ杖の赤い宝石部分の中へと消えていった。なのはもフェレットも安堵の息を吐いていることから、これでひとまず大丈夫らしい。

「もう大丈夫のようね」

戦闘終了と言うことで“キルシュブリューテ”を魔力の粒子へ戻して、体内にある魔力を生み出し、供給する器官・“魔力炉(システム)”へと還す。この場でやることはなくなった。“ジュエルシード”のことは気になるけれど、契約が更新されない以上は気には留めながらも放置の方向で行くつもりだ。

「やった!」

「良かった!」

喜び合っている彼女たちを改めて眺めた後、踵を返す。そのまま立ち去ろうとすると、背後から「待って!」と私を呼び止める声。立ち止まってから「何かしら?」と振り向いて、私を呼び止めたなのはの顔を見る。

「手伝ってくれてありがとう! 私はなのは、高町なのは、っていいます!」

自己紹介と共に、私に感謝の言葉を言った。別に礼なんて構わない。どうせもう会うこともないのだろうし。

(ん? ちょっと待って。高町なのは・・・高町?)

ふと、さっき確認した情報の中に、高町、というファミリーネームが出てきたことを思い出す。それですべてが繋がった。
あぁ、なるほど。この出会いはおそらく、いいえ、間違いなく必然だったのだ。初めから私を“ジュエルシード”に関わらせるために、“界律”はこの場へと私を召喚したのだ。

「高町なのは、ね。私はシャルロッテ、シャルロッテ・フライハイト。みんなからはシャル、もしくはロッテと呼ばれ
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