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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
妹達
Trick57_助けてよ
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間から生じた。

「え・・・・」

私はその光景をただ見るしかできなかった。
あの子は吹き飛ぶ。同時に攻撃が当たった左の二の腕は吹き飛んだ。
血を撒きながら飛ばされ、アイツと同じ風車の鉄柱にぶつかり落ちる。
その風景を。

「いやあああああああ!?」

「チッ! もっと吹き飛ばすつもりだッたのに、シケた攻撃で演算の邪魔しヤがって。
 だから言っただろ。オマエじゃ足止めすらできやしねェ」

落ちる。血が広がる。動かない。

「あ・・・なん・・・で」

「視力検査が2.0までしか測れねェのと一緒さ。
 学園都市にゃ最高位のレベルが5までしかねェから仕方なく
 俺はここに甘ンじてるだけだなンだっつの!」

私はあの子の元へ駆け寄った。自分の物ではないかと思うほど、足が言う事を聞かずに歩いていた。

「ハ、これで邪魔はいねェ!

 もう一度、もう一度だ!!」

一方通行が大気を再び圧縮し始めた。

どうでもいい。

辺り一帯が再び明るくなる。2度目の高電離気体の作成は難しくなかったようだ。

どうでもいい。早くあの子の血を止めないと。

「めんどくせェからオマエラまとめて()っちま・・!?」

どうでもいい。早くあの子の血を止めないと。アイツを病院に連れていかないと。

アイツは、立ちあがっていた。あんな遠くから見ても分かる大怪我の状態で。

助けて。

「・・・面白ェよ、オマエ」

助けて。助けて。

「最っ高に面白ェぞっ!!」

助けて。助けて。助けて。助けて。

アイツは立つのがやっとのようで、目線も定まっていない。
上空の光がさらに明るさを増している。

助けて。助けて。助けて。助けて。誰か助けて。

ようやくあの子の元に着いた。持っていたハンカチを破く。
いつか信乃にーちゃんに教えてもらった破り方で、包帯もどきを作って縛って止血する。

助けて。助けて。助けて。助けて。誰か助けて。誰でもいい、助けて。

「助けてよ、信乃にーちゃん」

「呼んだか、琴ちゃん?」



つづく


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