妹達
Trick57_助けてよ
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あれだけ威勢いい事いって、結局は逃げんのかよォ?」
先回りされた。自身の動きにも能力を使えば、怪我をしているこの子を逃がすのは難しい。
「悪い? 私がやるべきことは、この子を守る事よ!」
ついでに私達を追ってこれば、アイツを一方通行から離す事が出来る。
「図に乗ってんじゃねぇぞ格下が!」
今度は近くの線路を蹴りあげる。
1m程浮いた鉄骨を、軽く叩いた。
それだけで私達を襲う兵器へと変わった。
飛んできた3本の鉄骨を、1本目と2本目は私が避けるだけで問題なかった。
でも3本目は、私だけじゃなくあの子も射線上にいた。
「こんのぉ!」
右手に持っているコインを弾き、超電磁砲を放つ。
鉄骨は真ん中から溶けて、私達の左右に吹き飛ばした。
「オマエじゃ、足止めすらできやしねェ」
その声は私の後ろから聞こえた。
「ほ〜ら、先に妹をグチャグチャに殺してやンよ!」
まずい! 前に集中しすぎた!
私は振り返りながら右手をポケットに伸ばした。
でも、超電磁砲は一方通行には通用しなかった。
つい数日前に、無意識で発動してる能力に弾き飛ばされた事実がある。
他に方法は? 電撃が通用しない相手への対応方法は?
『電撃が通用しない相手』は、私は夏休み前に戦った事がある。
信乃にーちゃんに教えてもらった、七色の電撃。
正体もよくわからない。超電磁砲と比べて威力もない。
でも、『電撃が通用しない相手』には有効だった。
だから私には、この選択肢しかなかった。
「くらえ!」
この技に、能力に合わせた正式な計算式は無い。
信乃にーちゃん曰く、イメージする。海面のような、3次元の荒々しい波。
波に合わせて、計算式を作成する。
生まれるのは七色の電撃。
「がっ!?」
一瞬、気を失うかと思うほどの頭痛に襲われた。
この電撃を使うと、ほとんどが直後に頭痛が襲ってくる。
今回の頭痛は、今まで一番強かった。
なんとか意識を刈り取られないように踏ん張った。
生まれた電撃は、私の予想したものよりとても小さなものだった。
七色ではある。でもいつも、今まで飛ばしてきた電撃の10分の1ほどの強さしかない。
もはや電撃とは呼べない小ささだ。
「ッ!? なンだ?」
予想通り、七色の≪電気≫の内、一色は一方通行へと届いた。
予想外に、七色の≪電気≫は威力が無く、一方通行にダメージを与えなかった。
静電気を貰った程度の反応しかない。
だから一方通行の攻撃を止められない。
あの子へと迫る手を、止める事は出来なかった。
ドン
軽く振られた手からとは思えない音が、あの子と一方通行の
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