妹達
Trick57_助けてよ
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が・・・その言葉はとてもひびきました・・・・」
私はこの子の手を握り締めた。
後から考え直してみると、その時の私はかなり言葉足らずだった。
でも、この子は答えてくれた。
私がお願いしたのは、『風』を操る事だった。
もちろん、この子が『電撃使い』であることは百も承知だ。
当然、『風』を操る事はできない。
では、風車ならどうだろうか?
風車は『風』を受けて、モーターが回り、『電気』を作る。
これを逆を考えてみよう。
『電気』を受けて、モーターが回り、『風』を作る。
これが『電撃使い』が『風』を操る方法。
しかし私も『電撃使い』、怪我を負っているこの子よりも私の方が確実に
風を作る事が出来る。
私がこの子にお願いしたもう一つの理由は、この子達だけが持っている
特殊な回線、ミサカネットワークだ。
「ぎィやははははははははは!
スゲェっ 自分の身体のように! 手足を動かすかのようにっ!
空間すべてを支配していく―――感覚っ!!!」
超電離気体が更に輝きを増していく。
一方通行は、倒れているアイツを一瞥した。
「カカッ!
強ェ相手と戦んのがレベルアップの近道ってなァ、マジみてェだなァ!
ええ? 三下ァっ!!
感謝をこめてオマエは跡形もなく・・・」
轟! グニャリ
風のうなりと共に、いきなり頭上に浮かぶ超電離気体の形が崩れた。
待ってた! この風を待っていた!!
1つの風車を回すのなら、私が強く回せる。
でも単純な『風』だと一方通行の能力、演算能力には敵わない。
だからこそ、この子達だけが持っている特殊な回線、ミサカネットワークだ。
必要なのは、強い『風』じゃない。複雑な動きをする『風』。
一方通行の演算能力に合わせて、その演算から逃げるように街中の風の流れが
動きを変えてゆく。
良く見えるように、私は隣にいるこの子に肩を貸して立ちあがる。
今の現象は、この子がミサカネットワークを介して他の子達が発生させている。
あの子達が学園都市中の風車を回して複雑な風を作っている。
この風が一方通行の演算を邪魔し続ければ、高電離気体は完成しない!
「・・・ねえ。
他の『妹達』と意思の疎通ができるんでしょ?
何人かここに呼んでちょうだい」
高電離気体が完成しないからと言って、私達が勝ったわけじゃない。
たとえ高電離気体や暴風の制御を乗っ取られたとしても、私達に一方通行の
完全なる防御を破る事が出来ない。
だから、この子をこの場所から離れさせないといけない。
この子を逃がすくらいの隙は私にも作れるはず・・・
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