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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
妹達
Trick57_助けてよ
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が望む、最高に幸福な終わりはなかったのかな。
誰一人掛ける事もなく、何一つ失うものもなく、みんなで笑ってみんなで帰るような、そんな結末はないのかな。

そんな事をぼんやりと私は考えていたけど、一方通行を見て意識は現実に戻された。

横顔でちらりと私を見て、すぐに目線を上げた。

そして一方通行は両手を広げて能力を発動させていく。

瞬間、街中を流れる『風』が一点へ集中した。
そこへ暴風が集められた瞬間、何か溶接したような眩い光が生まれる。

何よ・・・これ・・・

風を一点に集中させて生み出したのは・・・・

高電離気体(プラズマ)

その大きさは直径20mまで膨れ上がっていく。
まさか、この辺り一帯をまとめて消し飛ばす気!?

高電離気体の余波が、私の皮膚に火傷しそうなジリジリした痛みを植え付けていく。

それなのに、私の背骨は瞬間冷凍したように寒気を訴えた。
ふと、先程の一方通行の横顔を思い出した。

あの顔は、あの目は、私を虫ケラ程度にも気にかけていなかった、あの目。

今の一方通行はきっと、自分の新たな力を試す事にしか興味がない。
例え私がこの場で死んで実験中止命令が下っても、一方通行は止まらない!

どうすればいい? どうすれば・・・

学園都市の『風』を一点に凝縮? なら街中にあるアレを使えば・・・

私はあの子の元に走って行った。
幸い、さっき爆風の影響を受けなかったみたいで、最初に倒れていた位置から変わっていなかった。

「お願い、起き・・て!?」

手が、触れたあの子の手は、冷たい。
こんな状態の、この子に私は一体何を・・・何をお願いしようとしていたのか。

でも、このままじゃアイツは・・・

「・・・お願い・・・起きて・・・

 ・・・・無理を言っているのは分かっている。
 どれだけ酷い事を言っているのかも分かっている」

なんでッ・・・

「でも・・! あなたにやって欲しい事があるの。
 ううん、あなたにしかできない事があるの!!」

なんで、何で私はこんなに弱いの?

「私じゃ・・・・」

常盤台のエース? 7人だけの超能力者(レベル5)?

「みんなを・・守れない・・から」

なにもできないじゃないッ――

「だから・・・お願いだから!

この子の怪我を治す事も、一方通行を止める事も・・・

「アイツの夢を・・・・守ってあげて・・・・・・ッ」

アイツの夢を守る事も―――

ふと、私の手にこの子の手が乗った。

「・・分かりま・・せん・・・」

途切れ途切れの言葉に、この子の怪我が見た目以上にひどい事を知った。

「その言葉の意味は・・・分かりかねますが・・・
 
 何故だ
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