暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十二話 闇を祓う
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応えるように 

「盾の守護獣、ザフィーラ。
 そのようなモノ撃たせん、オオオオッ!!!」

 魔力を込めた拳の右の一撃を暴走体の障壁に叩き込む。
 その一撃は暴走体が急ごしらえとはいえ展開した障壁を突き破り士郎を狙う砲門を打ち砕く。

「うおおりゃあああっ!!!!」

 さらに左の一撃で障壁を粉砕する。

 その中で士郎は戦いを見つめながら、完成した剣にさらに魔力を流していく。
 それは魔力を込めるモノではなく、変化させるためのモノ。

 だがそれは異端中の異端。
 剣は紫電を帯び、士郎の右腕を焼く。
 そんな事を気にしないと士郎は魔力を流し続ける。

 ゆっくりと緩やかな曲線を描く鍔は直線的に、柄は細く長く、同じように刀身も刃幅を細くしてわずかに長くなる。

 その光景に固まる思考を必死に動かし

「はやてちゃん!」

 主の名を呼ぶシャマル。

 はやて自身、士郎が心配ではあるが、そこまでして夜天の書を救おうとする士郎を止められるはずがない。

 暴走体に改めて視線を向け、夜天の書を手に杖を掲げる。

「彼方より来たれ、やどりぎの枝」
「銀月の槍となりて、撃ち貫け」

 はやてと共にリインフォースが詠う。
 白銀ベルカの魔法陣を囲むように展開される八つの魔力。

「石化の槍」
「「ミストルティン!」」

 振りそそぐ八つの白銀の槍が暴走体を貫き、暴走体の身体を石と変え、海へと叩き落とした。

 衝撃で砕けていく暴走体。
 だがそれよりも早く肉体を復活させていく。
 しかしその光景があまりに異常であった。

 欠損した個所を埋めるように現れる剣、剣、剣、剣、剣。
 それはまるで巨大な剣の塊の様であった。

 ここにきて、なのは達は士郎と暴走体の共通点を感じ始めていた。
 だが戦いの最中に尋ねる様な真似はしない。
 それでもただ心配そうに士郎を見つめていた。

 そして、士郎も

(まいったな。ほとんど同じか)

 重傷を負った時に剣となり、修復する自身の身体との共通点に頭を悩ませていた。

 士郎はまだ失ったところや傷を剣で覆う様に修復する光景をなのは達には見せた事はない。
 だが封印回路を使用して剣が突き破った光景をみたなのは達が薄々感づいていることも視線で気がついていた。

(この戦いが終わった後、話す事が増えそうだ)

 そんな予感をしながら、こちらを見つめるクロノに頷いて見せる。

 クロノも戦いの中尋ねる気はない。
 ただ後でという士郎の思いを正確に受け取り、瞳を閉じデュランダルに魔力を込めていく。

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」

 その言葉と共にデュランダルが秘める魔力は
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