アインクラッド 後編
激闘、第五十層フロアボス攻略戦
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に、更なる攻撃力と敏捷性を得る。事前情報どおりの展開だ。
……だというのに。
「オイ……なんだよ、アレ……聞いてねぇよ……」
前衛に出ていたタンク隊の一人が、震えた声で叫んだ。彼の顔に浮かぶのは、驚愕と疑問、そして恐怖。その目に映るのは、能面めいた無機質な顔と振り上げられた十本の腕、そして鎧の下から新たに現れた、四十本もの腕と武器。怪物は前衛の一人に対して狙いを定めたように凝視すると、全ての腕を振りかぶった。
「そんな……なんで……」
視線の先にいたプレイヤーが、足を震わせながら僅かに後ずさった。だが、何もないはずの石床で転び、尻餅をついてしまう。
「止めてくれ……嫌だ、嫌だ! まだ死にたくない……!」
だが、そんな嘆願を嘲笑うようにして、仏像は合計五十本もの腕を全て振り下ろした。握られた刀剣類が、禍々しい光を帯びて一人に叩きつけられた。
ささやかな希望さえ踏み潰した異形の怪物は、四散した蒼い欠片の向こう側で、能面のような顔を歪めて不気味に笑った。
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