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World of Destiny Crossed―魔法少女と剣士の物語―
第一部
魔法少女と剣士
やって来た非日常
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するだろう。
 まどかやさやかも知らない……《ユウヤ》と呼ばれていた頃の《俺》だからな。

「……時間が無いの。答えて」
「おいおい、自分の要求だけ叩きつけて自分は譲歩しないのかい。交渉のイロハから学び直して来い」

 時間が無いのなら去ればいいと言うかのように手でやりながら背を向けた時、そこへ看過しがたい言葉が突き刺さった。

「鹿目まどかが死んでもいいの?」
「…………今、何て言った?」
「私に時間を取らせると鹿目まどかが死ぬわよ」

 何を、言っているんだ?コイツは……。まどかは物理的距離で言えば数百メートルの所にいるはずだ。

「おい、冗談もいい加減に―――」
「冗談かどうか、その目で確かめてみるといいわ。そうね……5、6分私がここに居ればいいかしら。非常階段の所に行ってみなさい?」
「―――ちっ!!」

 その声は余りに冷たく、美しく……そして悲しそうだった。言い様の無い不安感が込み上げ、俺の足は自然と非常口に向かって走り出していた。



「……私も、行かなくちゃ」


 移動し、腕に時を操る盾を顕現。彼女に誰も目を向けていない瞬間を狙って魔法を発動する。次の瞬間、その場には誰も居なかった……。





























 硬く冷たい床であったはずのそこは弾力のある地面に変わり、壁も、天井もねじ曲がったような空間に私達は居た。

「さやかちゃん、ここ……」
「分からない……来た非常口はこっちの筈なんだけど……」

 ファストフード店で仁美ちゃんと別れた私はさやかちゃんに付き合ってCDショップに行きました。さやかちゃんには上条君という幼馴染みがいて、交通事故にあって入院している彼にネットでは聞けないCDを買っていってあげるのがさやかちゃんの日課です。
 さやかちゃんがCDを選んでいる間、私は好きなアーティストの新譜を聞いていました。そんな時、私の頭の中に「助けて」という言葉が響きました。その声に導かれるまま非常口を抜け、改装中のエリアに足を踏み入れた時、天井のエアダクトから今、私の腕の中にいる白い不思議な生物が血塗れの状態で降ってきたのです。

 そして、それを追うようにあのちょっと怖い転校生、暁美ほむらちゃんが現れました。ほむらちゃんは私にこの不思議な生物から放れて、と冷たく言いました。私は……ほむらちゃんがこの子に何かをする
 んじゃないかと怖くなり、途中で割って入ってきたさやかちゃんと一緒に逃げました。しかし、

「ひ、非常口は……?どこよ、ここ?」

 世界が歪んでいるような奇妙で恐ろしい世界。誰かの笑い声も聞こえてくるような気もしました。

「ひ……!?」

 そし
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