暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 I
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ない以上はそうするしかない訳だが!」
「はい!」

美羽が猫操りで操って匁を空に投げ、匁は近くにいる崇徳を斬り、出来た隙を突いて殺女が踵落としで地に叩き落す。
その瞬間に美羽が簡易結界を張り、崇徳が空に逃げるのを邪魔する。

「その程度の結界では、」
「逃げる暇を与えなければよい!」
「だね!」

当然、崇徳は結界を破壊して空に向かおうとするが、殺女と匁が絶え間なく攻撃を放つことでそれを妨害する。

「ええい、うっとうしい!」

崇徳は匁が持つ刀を全て蹴り飛ばし、匁を別方向に投げ飛ばす。

「貴様も、何!?」

が、刀とは逆方向に飛ばしたはずの匁が刀を持って背後から切りかかるので、崇徳は慌てて避ける。

「上手く隙を突いたと思ったんだがな!」
「確かに、危ないところであった!褒めてつかわす!!」
「何も嬉しくはない!」

そして、崇徳の正面から切りかかっていた匁は一瞬で姿を消し、崇徳の背後から切りかかる。

「二度も同じ手は効かぬぞ!」

崇徳はそれに気付き、後ろを振り向くが、

「背後ががら空きだよ!」
「な、」
「そして、正面もな!」
「おまけで・・・上も、です!」

その瞬間に殺女に背中を殴られ、気を取られた一瞬の間に匁が袈裟切りをし、美羽の猫操りで地面に落ちたままの五本の刀が串刺しにする。

「ふう・・・私の意図に気付いてくれたこと、感謝する。」
「私は、体が動くままに任せたんだけどね。みーちゃんは?」
「私は、匁さんが一振りしか使わなかったので、もしかしたらと思いまして・・・」

さて、一つ種明かしをしよう。
まず、今回の作戦の目的は予定通りに成功している。
では、匁はどのようにして自分とは逆方向に飛ばされた刀を持っていたのか、一瞬での移動を可能にしたのか、という疑問が残る。
それは、匁が瞬間移動をしたり、瞬間移動をさせたりしたからだ。
匁には、自分が刀の元に飛ぶ奥義と、刀を自分の元に飛ばす能力がある。

一度目には自分の元にに刀を飛ばすことで奇襲をし、二度目には袖口に隠していた残りの二振りの片方を崇徳の背後に落とすことで崇徳の背後に移動し、連携攻撃へと移ったのだ。

「さて、これで倒せていれば万事解決なんだが、」
「・・・もう、手加減はせぬぞ!」
「そうも行かないみたいだね〜。」
「どうしましょう・・・?」
「そもそも!」

三人が悩んでいると、本格的にキレたらしい崇徳は、口調を荒げ、

「あのような貧相な男に仕えているものどもが、我に傷をつけるなどあってはならぬことだ!人を見る目もない、ガキどもになぞ!」
「「「・・・・・・」」」

そして、その一言が種火となってしまった。
火薬(さんにん)を爆発させる、種火に。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ