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とある英雄の学園生活
第1話 いきなり最終決戦

[2]次話
 「ヒミコ!!!!これで!!終わりだ!!!」

 俺は宿敵の暗黒女王ヒミコの懐に入り2本の魔人剣を突き刺した。
 右手に持つ炎の大剣はヒミコの左の胸に突き刺さり、左手に持つ氷の突剣は右の胸に突き刺さった。

 「俺たちの勝ちだ」

 「あらら、この傷じゃあダメみたいじゃの」

 ヒミコは他人事のように自身の2本の剣が刺さった胸をみてつぶやいた。

 「でも闇の世界に帰るのに1人じゃ淋しいから、坊やも一緒に来てもらおうかの」

 「離せ、この野郎」

 ヒミコは俺の両腕を掴みその力は強力ではずせそうになかった。
 2本の剣で突き刺さった胸の黒い切れ目から徐々にヒミコの体と俺の腕が吸い込まれていく。

「坊や、悪いけど先に行かせてもらうわね。また後であいましょうね」

 そう言ってヒミコは闇に吸い込まれた。俺も少しずつ闇に吸い込まれてるみたいだ。
 痛みは感じないのだが2本の魔人剣と両腕は闇に吸い込まれていた。

 「綺羅さん!」

 「隊長!」

 「綺羅!」

 「キラ!」

 「アニキ!」

 仲間のみんなが俺を助けようとこちらに駆け出してきたが

「やめなさい!キラはもう助けることはできないわ。今私たちが彼に近づいたら私たちもまきこまれるわよ」

 「ネイ!お前綺羅を見捨てるのかよ!一番なついていたお前が!」

 「私だって助けたいわよ!でも……」

 ネイが泣いていた。いつもクールビューティなダークハイエルフが俺のために泣いている。
 そりゃそうだろうな。
 ネイ・イチジョウ。この世界での家族の1人だ。

 てか俺も死ぬかもしれないのに冷静に仲間を見ている自分におどろいた。 

 「みんな、今までありがとうな。この世界にきて、いろんなことがあったけどみんなに出会えてよかったよ。俺はこのまま闇に吸い込まれるみたいだけど、ま〜なんとかなると思うからあんま気にすんな」

 俺は精一杯の笑顔でみんなを見た、ちゃんと笑顔になってるかな。ホントはマジ泣きそうなんですがみんなに心配させるわけにはいかんし、なんたって俺はヒミコを倒した勇者の1人なんだから。
 泣いているネイ、セリア、アルト、悲痛な表情のシアンとヴァンヘルト。そして怒った表情のリョウ……なんで怒ってるんだあいつは?

 あれ、体が思うように動かんな〜。もう限界かな。
俺はみんなに伝えたい言葉がある。『さよなら』じゃなく『ありがとう』でもなくただ一言

「またな!」

俺は自分の最後の言葉がみんなに伝わったかどうかわからないまま俺は闇に包まれた。 
[2]次話


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