ジャンヌ・ダルク
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なんだ?ジェラールって誰だよ?」
アルカの問いに、エルザは少し俯く。
「言いたくないならいいんだけどさ・・・」
アルカの問いに答えないエルザを見てルーシィは少し俯く。
「アイツ等、エルザの昔の仲間って言ってたよね。でもあたし達は今の仲間。どんな時でもエルザの味方なんだよ」
ルーシィの言葉にルーが頷く。
グレイも、アルカも、ジュビアも、その場にいた全員が同じ思いだった。
「か・・・帰れ・・・」
ルーシィの言葉に、エルザは体を震わせながら弱々しく言い放つ。
「エルザ・・・」
ルーシィが呟くと、今度はグレイが口を開いた。
「らしくねーな、エルザさんよォ。いつもみてーに四の五の言わずついて来いって言えばいーじゃんヨ。俺達は力を貸す。お前にだってたまには怖えと思う時があってもいいじゃねーか」
グレイがそう言うと、エルザが振り返った。
――――――――左目に、涙を浮かべて。
「うっ」
初めて見るエルザの涙に言葉を失うルーシィ達。
グレイは戸惑い、ルーシィとジュビアとルーは驚いたようにエルザを見つめ、アルカは珍しく真剣な表情でエルザを見つめた。
「すまん」と一言呟き、エルザは涙を拭う。
「この戦い・・・勝とうが負けようが、私は表の世界から姿を消す事になる・・・」
「え!?」
「ど・・・どういうこった!?」
表の世界から消える・・・それはつまり、エルザがいなくなる事を意味する。
それを聞いたルーシィ達は驚愕し、唯一アルカは口角を上げた。
「これは抗う事の出来ない未来・・・だから・・・だから、私が存在しているうちに全てを話しておこう」
そう言って、エルザは意味深な微笑を浮かべ、語り始めた。
「この塔の名は『楽園の塔』。別名『Rシステム』。10年以上前だ。黒魔術を信仰する魔法教団が『死者を蘇らす魔法』の塔を建設しようとしていた」
「死者を蘇らす・・・!?」
エルザの『死者を蘇らす』という言葉にルーが反応する。
いつもの笑顔は消えうせ、何か思い詰める様にぎゅっと唇を噛んで俯いた。
「政府も魔法評議会も非公認の建設だった為、各地からさらってきた人々を奴隷としてこの塔の建設にあたらせた。幼かった私も、ここで働かされていた1人だったのだ」
「え・・・!」
「ほぉ・・・」
妖精の尻尾最強の女魔導士、妖精女王と名高いエルザがまさか元奴隷だとは思わなかったルーシィ達は驚愕する。
が、アルカは1人、面白いものを見つけた時の様に目を輝かせ、少し歪んだ笑みを浮かべた。
「ジェラールとは、その時知り合った」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ