狂った人形編
忍び寄る影
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』
そう来るとは少し思ったが、まさか本当にこうなるとは……
ランドセルの神の実力はどれくらいかは知らんが姉が止めるくらいだから相手は相当強い奴かもしれん。
「すまんが、俺にはなんともできそうに無い。」
『別に君に狂った人形をどうにかしてくれと頼んだわけじゃないよー?』
「あれ? そうだったか。」
『君って優しいんだねー?』
また言われたその言葉、相手は恐らく本気で思ってくれている。だけど、いや、だからこそ、その言葉が重く感じた。
そして、俺は言ってやった。
「優しかねぇよ。ただただ、甘いだけだ……」
そうぶっきらぼうに返したつもりだが相手は笑ってこう言った。
『知ってるよー。』
何故かその返答はあったかく感じた。
「……チッ、さっさと行くぞ。」
『君、テンションの上がり下がり激しいねー。』
「知ってる。」
何年付き合ってんだと思ってんだ、
俺はそう思いまた走り出す。
(ここなら……)
俺は小学生に気付かれないようにすっとランドセルから出て少し歩く。すると、
「俺が見たのはここだな……」
着いたのは俺が地獄を見たところ。
(死体がまだあるな……回収が遅れてるのか?)
そう思い影に隠れる。すると、
(! オイオイ、マジかよ……)
例の人形ともう一人変な男が来た。
人形は炎髮灼眼の少年のような姿をしている。
もう一人の男は……
(堕天使!?)
背中に黒い翼が生えていた。
(だとすればヤバイな……)
堕天使は大概上級天使が自分の力に自信を持ち愚かな行為をして負けて落とされた挙句闇へと堕ちた天使だ。天使時代ほどの実力はないが自分くらいだったら簡単にひねり潰せるだろう。
(今日のところは引き上げるか……)
そう思い立って歩いた瞬間、
「あっ、」
落ちていた缶を蹴ってしまった。
「ん? おい、……ル、 誰かいるぞ」
赤い少年が口を開く。途中、名前を呼んでいたようだが聞こえなかった。
「まさか、誰かいるのか?」
今度は堕天使が口を開く。
……ヤバイ、ここで鉢合わせでもしたら……
足をそっと引いてまた隠れる。
くそ! 昨日あんだけ姉さんに言っといてこのザマかよ!
「なんだ、気のせいか?」
「殺しをしすぎて疲れているんだろう。」
「俺は後いくら殺せば、あいつに会える……?」
「後もう少しだ。三百と言ったところか、」
気付かれなかったことに安堵するのも忘れて恐怖を感じた。あと三百もこんなことが続くのか……
「もうやめにしたい。少しツボにハマっている自分が嫌になってくる。このままあいつに会う。」
この言葉を聞いた途端やっと安堵の息が溢れる。何があったかは知らんが本人は好きでやっていることではないことが……
「ならその姿
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