暁 〜小説投稿サイト〜
万華鏡
第四十七話 運動会が終わってその五
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「目立っていくわよ」
「全力で、ですね」
「本番だからね」
 彼女達文化系の部活にとってはというのだ。
「やっていくわよ」
「わかりました、それじゃあ」
「あんた達にもね、やってもらうわよ」
 部長は琴乃から離れた、そのうえで立ち上がってプラネッツの面々を見下ろす形になってそれで言うのだった。
「いいわね」
「はい、それじゃあ」
「やらせてもらいます」
 プラネッツの五人も応える、こう話してだった。
 部長は五人の前を去ってだ、自分のバンドのところに入った。そこまで見届けてからこ言う琴乃であった。
「ねえ、さっきのお話だけれど」
「部長さんのね」
「さっきのお話ね」
「そう、まあうちのクラスはね」
「前の将軍様の裸って」
「しかも団体って」
 四人にとってもだ、それはだった。
「ちょっと以上にやり過ぎよ」
「怖いなんてものじゃねえだろ」
「そうよね、だから私も止めたのよ」
 またこう言う琴乃だった。
「洒落にならないからって」
「あのさ、それって下手なホラー映画より怖いぜ」
 美優も考える顔でこう言う。
「それこそ人食いサンタとかな」
「人食いサンタ?」
「ああ、人を襲う邪悪っていうか野生のサンタな」
「そんなのいるの?サンタさんでしょ」
「それがあるんだよ、フィンランド映画でな」
「フィンランドってサンタさんの国よね」
 琴乃もこのことは知っている、サンタクロースはフィンランドとロシアの国境にある山からクリスマスに世界の子供達を回るのだ。
「本場の映画なの」
「邪悪なサンタが発掘されてさ」
「発掘?」
「何、それ」
 琴乃だけでなく四人共その話には唖然となる。
「ちょっとないでしょ」
「だろ?あたしも観てびっくりしたよ」
 そのサンタの話をだ、美優は続けていく。
「人を襲って耳をかじってきて鎖で縛られてな」
「熊?」
 景子はここまで聞いて真剣にこの生き物の名前を出した。
「そんな感じ?」
「まあ近いか?野獣みたいな感じで集団で出て来るしな」
「サンタさんって何人もいたのね」
 彩夏はこのことにも驚いて言う。
「そうだったのね」
「みたいなんだよ、どうやらな」
「衝撃の事実ね」
「クライマックスはその野生のサンタが集団で裸で出て来て捕まえるんだよ」
「そのまま動物みたいね」
 里香も流石に首をひねる、その展開を聞いて。
「野生の」
「見てたら邪悪っていうかそんな感じだったな」
 美優もそのサンタを見てそう考えるのだった。
「野獣でな、それでそのサンタさん達を飼い慣らしてな」
「飼い慣らすのね」
 琴乃はそのことも聞いて唖然となる。
「サンタさん達を」
「それでそれを物語の最初で。ああ、これ言い忘れたけれどさ」
「映画の最初で?」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ