第四十七話 運動会が終わってその二
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「あれでしょ、白い和服で三角の布の」
「そう、それ」
「足がないあれね」
「実際は足があるけれどね」
「あの幽霊ね」
「そうよね、和風なのね」
ここで琴乃はまた看板を見た、コスプレをした将軍様が相変わらずそれ自体がネタの顔を見せ続けている。
その将軍様を見てだ、琴乃は言うのだ。
「看板が将軍様だからね」
「和風はどうかっていうの?」
「もっと他の感じにしろっていうのね」
「そうじゃないかしら」
琴乃は看板を見続けながら言っていく。
「具体的に何がいいかとはちょっとまだ考えてないけれど」
「そうね、将軍様だからね」
クラスメイトの一人もだ、ここで看板を見て言った。
「親父さん出す?」
「あのパーマの?」
「シークレットブーツ履いた」
「そう、あの人をね」
出そうというのである。
「出してみない?」
「ううん、いいかも」
「確かに」
クラスメイト達もここで頷くのだった、その中には琴乃もいる。
「インパクトとしては最凶だし」
「目立てるわよね」
「そうよね」
「あの二代将軍様が裸で集団で襲い掛かってくるとか」
クラスメイトはらさに言う。
「そういうのよくない?お化け屋敷に入ったら?」
「裸?」
「裸の先代将軍様がなの」
「そう、お化け屋敷の中に入ったら集団で襲い掛かってくるのよ」
「それ洒落にならない位怖いわよ」
琴乃はここまで聞いていささか引いた顔で彼女に突っ込みを入れた。
「もうね」
「怖いからいいんじゃない」
「っていうかキモ怖いっていうか」
そうした感じだというのだ、琴乃は。
「トラウマになるわよ」
「トラウマになる位怖いから面白いと思うけれど」
「いや、若しもよ」
琴乃はここで己の中に起こった想像と闘うことになった、そしてその想像をそのままクラスメイトに話したのだった。
「裸の先代将軍様が集団で襲い掛かってきたら怖いでしょ」
「一生忘れられないわね」
「ついでに聞くけれど上半身が裸よね」
「下は白ブリーフとか?変態味を強調して」
「余計に怖いから」
もうブリーフもかなり減っている、少なくとも中学生や高校生では穿いている人間は相当な少数派であろう。
「もうそうなったら」
「やり過ぎかしら」
「一応聞くけれど顔はマスクで身体は着ぐるみよね」
「ええ、それでね」
「流石に本物な訳はないことはわかるけれど」
「やっぱり怖過ぎる?」
「トラウマになるから」
またこう言う琴乃だった。
「だからそこまではね」
「ううん、キモ怖いのも」
「だから、あの外見のおっさんが集団で裸で襲い掛かってくるのよ」
しかも変態の代名詞である白ブリーフ姿一枚で、である。
「おぞましいでしょ」
「じゃあ、奈良県のあのマスコットが集団でお迎え
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