第12話
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た旅にでも出たんじゃねぇか?」
「だったら、一言声を掛けてくれたっていいじゃない・・・。」
一同俯き、しばしの間黙ったまま誰も動かなくなった。
みんな、サクラの言う通りだと思った。
つい昨日まで楽しく遊んでいた友人が何の前触れもなく、別れも告げずに突如として消えてしまったのである。
それは、元々追われる身だったのかもしれず、だからみんなに気を遣って黙ったまま去って行ったとも捉えられるが、それでも我々にとっては大切な友達なのだから、一声掛けるなり置手紙をするなりして欲しかった。
だから、素直に悲しかったのである・・・この突然の別れに。
少しして、すすり泣く声が聞こえ始めた。
声がする方を見れば、サクラの顔から水滴がポツポツと床に垂れていた。
今度はまた別の方からさめざめと泣く声が聞こえ始め、次第にその声は増えていき、疎らに重なり始めた。
やがて木の床は水滴を吸収しきれなくなり、序々に水浸しになったいった。
唯一泣いていないのは、ナルトだけだった。
確かに、ヨタとの突然の別れは悲しいものではあったが、泣くほどまでに至らせなかったものがこのツリーハウスの中にあった。
それは、ヨタの寝床にあった"塵の積もった山"であった。
恐らくそれは"ヨタだったもの"だと思われる。
どうやら、大蛇○が穢土転生の術を解いたときに出来たのであろう。
だから、また会えるような気がしたのだ。
決して成仏して消えた訳では無さそうだったのは少々残念でもあったのだが、その事は"まだ会うチャンスは残されていること"を暗に示していると思ったのである。
だからナルトは、『いずれ"完全な輪廻転生の術"でも使えるようになったら、また缶蹴りでもして遊びたいな』と感慨に耽っていたのであった。
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