第2部:学祭1日目
第6話『思慕』
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はいと発案してきた。
誠のメールに、
『午前中は喫茶店の手伝いをしなければいけないけど、午後からは俺もあいてるんです。
ライブ、楽しみにしてます。
できたら喫茶店にも来てほしいけど。』
と書いていたためである。
「私は嫌です」梓は拒否して、「午前中は練習して、ライブが終わったらさっさと帰りたいですよ」
「そうだなあ」澪も、「それに最終調整ってしてないだろう。それに費やしたほうがいいと思うぜ」
「あれえ、澪ちゃんは桂さんに会えなくてもいいの?」
ニヤッと笑った唯に対し、澪の顔がぱっと赤くなり、
「わ、私は公私混同しないたちなんだ! ライブが終わったらゆっくり話をするつもりさ!!」
「赤くなってる、赤くなってる」
唯はニヤニヤする。
「ここは夏合宿の時と同じく多数決だな、私は練習したいね」
「私も。」
澪と梓が練習したいと言い出したが、
「「見物したい!!」」
唯と律の声が重なった。
「私も、見物したいかなあ…なんて」
続いてムギ。
「私も。そもそもこの学祭は、生徒同士の交流という目的もあるでしょ」
と、さわ子。
4対2。
学祭見物するということになった。
「じゃ、サービスで車で送ってあげるから」
「おいおい、榊野には歩いても5分でいけるぞ」
さわ子の発案に、律は笑い半分に答える。
「でも楽器とか持ち運ぶの、大変でしょ?」
「……それもそうだな。よし、今回はさわちゃんの好意に甘えるか」
「律、人の厚意にへそを曲げるもんじゃないぞ」
澪は律をたしなめると、
「……ちょっと、トイレ行っていいかな」
音楽室を飛び出し、トイレへと向かった。
「さっきから何回トイレ行ってるんだ…10回目だぜ。」
さわ子の車にみんなで乗り、榊野学園に向かうことになった。
「榊野ってどんなところかなあ、学祭での出し物も変わってたりして」
「私たちのと変わらないでしょ。それに校風悪いですし」
胸いっぱいの唯に対して、隣の梓は相変わらず冷めている。
「そういえば」ムギが榊野のパンフを見ながら、「これ、お母様から受け取ったパンフなんだけど、澪ちゃんのと微妙に違くない?」
皆集まって、ムギの開いたページを見てみる。
それは、お化け屋敷の部屋のレイアウト。
どこがろくろ首の部屋で、どこが冷たい手の部屋・・・と書いてあったのは共通する。
ただ……。
ただ違うのは、1つ別の部屋が書かれてあるということ。
ベッドと思しきデザインと、2人が座れる椅子、箱と思われるものも書いてある。
「……? 」
皆、妙な顔になった。
気がつくとすでに榊野学園の校内に入り、駐車場に来ていた。
「そういえば、ちょっと聞いた話なんだけど」澪は顎に手を当て、「榊野学園には伝統と伝説があっ
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