第七十七話
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第七十七話 石
それは石だった、その石を見てまずは梨花が言った。
「違うわね」
「ああ、賢者の石やな」
「それではないわね」
「それは無理やわ」
亜美は笑って梨花に返す。
「やっぱり」
「そうよね、あれはね」
「奥義やさかい」
だからだというのだ。
「あの石はないわ」
「ううん、まさかと思ったけれど」
「普通の石やで」
そうだというのだ。
「これをどう変えるかやねん」
「というか錬金術も魔術のうちに入るのね」
華奈子は二人の話を横で聞いていてこう言った。
「そうなのね」
「そうよ、錬金術も魔術のうちよ」
梨花はその華奈子にも話す。
「そうなのよ」
「ううん、何か独特の術って気がしてたけれど」
「ちゃんと今後私達も習うから」
「そうなのね」
「けれどそれでも賢者の石はね」
それはというのだ、幾ら何でもないといった感じで話す梨花だった。錬金術のことを真面目に話すのだった。
「もう滅多なことじゃ作られないから」
「あれよね、どんなものでも色々なものに変えられる石よね」
「そう、道の石をダイアにでも黄金にもね」
変えられるというのだ。
「その逆もね」
「そんなの作った人もいるのね」
「おるで、ほんまちょっとやけど」
いるとだ、亜美は華奈子にも話す。
「実際におるねん」
「そうなのね」
「けれど錬金術の奥義やから実際に作った人はほんまちょっとやで」
このことは断る亜美だった。
「うちなんかまだまだや」
「錬金術って奥が深いのね」
「深いで、ほんま」
「あたしそこまで出来るかしら」
華奈子は亜美の話を聞いて真剣に考える顔になって述べた。
「火でも奥義とか」
「まあ今は無理でもや」
「何時かは、なのね」
「そや、毎日していったらな」
「何時か出来るのね」
「そういうものやで」
亜美はこう言うのだった、そして華奈子も納得した顔で述べた。
「じゃあね」
「日々勉強やで」
亜美は華奈子にここでもにこりと話す、次第に打ち解けていく雰囲気の中で。
第七十七話 完
2013・10・4
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