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第一章
悲しきアウトサイダー
「御前はどうしようもない馬鹿だ」
いきなりこう言われた。
「高校も満足に出ていないんだったよな」
「それは・・・・・・」
「そうだな」
電話の向こうの声はもう話し合いさえできないものだった。そんなものは向こうから完全に打ち切っていた。今まで頭のおかしい話し合いもまともにできねえ狂った奴等に出会って損なのは片っ端から殴り飛ばして話を終わらせてきたが今は違った。向こうは完全に俺を決め付けてきていた。
「そんな奴に妹をやれるか」
続いてこう言われた。
「二度と電話をかけるな。いいな」
最後にこう言われて電話を切られた。それで終わりだった。電話を一方的に切られた俺は。まずは家の電話機を思いきり叩き付けた。
「くそっ!」
「おい、駄目だったのか!?」
「それじゃあやっぱり」
「ああ・・・・・・」
後ろにいるツレ達に背を向けて答えた。答えながら背中を丸めていた。
「駄目だったぜ。無茶苦茶言われたさ」
「・・・・・・そうか」
「わかってたけれどな」
オイルと汗の匂いがするバイク屋。俺達が七人でやってる店だ。当然俺もここにいる。肩書きは一応は専務だ。その専務様が肩丸める破目になっちまってた。涙こらえるだけで必死だった。
「気落とすなよ」
「・・・・・・なあ」
皆俺の後ろから慰めの声をかけてくれる。ずっと一緒だった奴等だ。その心は痛い程よくわかった。
「ちょっと飲みに行こうぜ」
「そうだよ。あの店行こうぜ、あの店」
「俺達のおごりでな」
「・・・・・・悪いな」
ここで断ったらかえって駄目なのはわかってた。俺にとっても。こいつ等の心がよくわかった。俺は仲間の心を無碍にはするつもりはなかったしできなかった。だから誘いを受けた。
「あの店だよな」
「ああ、あの袋小路のな」
「吹き溜まりの店さ、あの」
俺達がよく行く店だ。一見目立たないがそれでも安くて美味くて店のおっさんとおばさんが愛想よくて。それでよく行く店になっていた。
「そこでどうだ?」
「何なら別の店もあるけれどな」
「いや、あそこ行こうぜ」
俺はその店でいいと思った。背中を向けたまま頷いてそれに応えた。
「あそこで。皆で飲もうか」
「ああ、そうしようぜ」
「七人でな」
「仕事も丁度今終わったしな」
俺はここで皆の方を振り返った。何とか涙は我慢したので振り返ることができた。けれど笑顔はかなり無理していたと自分では思う。
「で、何飲む?」
「飲むのは決まってるさ」
社長やってるリーダーが言ってきた。
「ビールだよ、ビール」
「やっぱそれか」
「それかチューハイ、サワーだな」
「おいおい、何かいつもと同じだな」
俺はリーダーの言葉に
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