第17話「京都―決戦B」
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れでも、時間をかけてゆっくりと。まるでゾンビのように立ち上がる。
「ほんとに……な」
親しい人物などアキラだけだった。本当に世界がどうでも良かった。正直、カタストロフィにすら心を躍らせていた。
そんな俺を、この世界はいつの間にか受け入れて、さらには居場所をくれた人たちがいた。
――学園長に、高畑先生か。
教師として受け入れてくれる人たちがいた。
――学園の先生たち、それに3−Aの生徒達だ。
まるで兄弟として。
――ネギも。
友として。
――エヴァも。
仲間として。
――フェイトも。
タケルにとってそれは初めての感情だった。大切な世界だった。味わったことのない優しさだった。だから、それを――
「――守りたい……の、かもな」
自分の発した言葉に、自分でギョッとした顔を見せ、数秒の後にまるでそれが当然かのように頷いた。
この先、もし生きられたとして、きっと今までのように手を貸すのは面倒だし、ほんの少ししか手伝わないだろう。
――それでも、ミッションの敵くらいはしっかりと自分で受けきりたいってか。
「……ああ」
――ま、そもそも星人がいるのも俺らのせいみたいなところあるしな。
「……ああ」
――仕方ない。もう少し苦しむか、俺?
「ああ」
まるで芝居のように交わされたそれは、確かに全てがタケルの心で。
タケルは
ただひたすらに光を追いかけて
足を引きずる。
そして、時は刻々と。
「タケルさんを探しに行かないと!!」
「ちょっと、待ちなさいってネギ!」
リョウメンスクナノカミもエヴァンジェリンが無事に倒し、死に掛けていたネギも木乃香との仮契約によって治癒、目を覚ました。
皆がホッとした途端、これである。杖を片手に、今にも飛び上がろうとするネギをアスナが落ち着かせようとその腕を捕まえる。
「今のアンタが行ったって足手まといになるだけでしょ!」
アスナの言葉に、ネギがグッと喉を詰まらせる。
「……で、でも」
――あんなに傷ついてたのに。
その言葉にエヴァンジェリンがピクリと頬を引きつらせた。
尚も食い下がろうとするタケルに、今度は刹那が言う。
「いえ、あの方はその道のプロです。むしろ半端な人間が行っても気を紛らわすだけにしかなりません。ネギ先生、ここは自重するべきです」
一時的な助っ人として参入していた龍宮 真名もそれに頷く。
「ああ、私も一度だけ見たことがあるが、凄まじい程の手練れだった。そう易々と死ぬとは思えん」
横では同じく助っ人
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