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ネギまとガンツと俺
第17話「京都―決戦B」
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「いえ……でも」

 渋ろうとする刹那の言葉を遮って、タケルは身構える。

「いや、俺の標的もあの中に隠れてるから。あぶりだしたいのもあるんだ」
「あ、そういうことなら、はい! 是非、お願いします!」

 ネギたちの様子に笑顔が戻った。死にかけだったタケルの色が良くなったこともその要因の一つだが、彼がいるということで安心感を得ているのかもしれない。

 竜巻があと1、2分で消える。それまでにタケルが来る前に決めていた作戦を説明する彼等だった。




 鬼に取り付いた其はやっとボス鬼まで残り20Mほどの距離に近づけていた。何せ150体もの鬼がまぜこぜに立ち並んで竜巻を取り囲んでいるのだ。そっと近づくだけでも時間がかかってしまう。

 ――くっくっくく。あと少しだ。あと少しあいつも俺のモンだぁ。

 其の悪い癖、だろうか。自分の本体がナノ単位しかないという余裕に任せてすぐに油断する傾向に入る。

 もしも、彼がそのナノ単位しかない思考器官で深く慮っていれば、既にタケルの存在に気付いて逃げおおせているはずだった。

 今の彼の目的はタケルというバケモノから逃げること。決して大きな命を手にいれようとすることではない。

 より、目の前に夢中になっていた彼は、突然目の前で起こったことに呆然と首をかしげた。

 ――ドン

 異様な音が比喩でもなく鳴り響き、目の前から直径約5Mの穴が大地に出来ていた。直撃した5体ほどの鬼たちは何が起こったのかも理解できずに消えて行ったに違いない。

 それほどに一瞬での出来事だった。

「なんや今の!?」
「わしらの知らん術か!?」

 うろたえる鬼達を尻目に、其は体を震わせた。

「……ま、まさか」

 見覚えがある。ほんの数時間まえに、其自身を恐怖に陥れた攻撃方法だ。忘れるはずがない。

 怯えるように後ずさったとき、竜巻が晴れた。そして――




「――雷の暴風」

 竜巻が晴れると同時に魔法を放ち、ネギが空に飛び立った。約20体を食い破り、砂塵を大きく巻き上げていたため、鬼たちもそれに反応することは出来なかった。

「落ち着いて戦えば大丈夫です! 見た目ほど恐ろしい敵ではありません。私のこの剣もアスナさんのハリセンもこいつらと互角以上に戦う力を持っていますから」

 2人の女性徒が前に出て、言葉を交わす。

「せいぜい街で150人くらいのチンピラに囲まれた程度だと思ってください」
「それって安心していいんだか悪いんだか……」
「……2人共結構、余裕あるな」

 タケルが後ろで剣を、居合いの要領で構えていた。

 タケルが狙っている星人をおびき出すためならば今のZガンだけでも十分、あとは適当にソードを振っ
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