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インフィニット・ストラトスの世界にうまれて
変態と紳士の境界線 その二
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見ていた空中投影モニタから目を離した山田先生は織斑先生を見ると、

「一回切りのチャンス――と言うことはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

と真剣な顔で話す。
ここまでは知識通りの展開だ。
どうせ篠ノ之束の目的は一夏なんだから、距離だろうが、時間だろうが、関係ないだろうと考え、ここで俺は手を上げた。

「何だ、ベインズ」

「俺が先行して『福音』の足を止めます」

「今、山田先生が言ったはずだ。アプローチは一回が限界だと」

「今から五十分後に、しかも二キロ先って言うなら、これからすぐに出発すれば余裕で『福音』の頭を押さえられるでしょう。紅茶を楽しむ時間すらあるかもしれません。俺が『福音』に対して攻撃することで、多少なりともデータ上ではなく、リアルに攻撃特性が解るはずですし、俺の後から来た人間が、そのデータを元に攻撃を加えれば作戦の成功率は上がるはずです」

織斑先生は数秒考えた後、こう話し出す。

「お前の考えは解った。だが、足止めを一人でやるつもりか?」

「他の専用機持ちは追加装備の関係で準備に時間がかかるでしょう? 俺にはそんなものありませんから、今からだって行けます」

織斑先生は難しい顔をしながら少し悩むような素振りを見せてから、

「そこまで言うならやってみろ。ただし、足止めをするだけだ。それ以上のことは考えるな、いいな。後発については、なるべく早く出してやる」

「了解です」

俺はおもむろに立ち上がると、一夏たちに行ってくると挨拶をして部屋を出る。
部屋を出て、ふすまを閉めようとした時、山田先生はとても不安そうな顔で俺を見つめていたが、それに笑顔で答え、ゆっくりとふすまを閉めた。

俺の機体は、BT兵器二号機になる予定だった。
しかし、二号機が性能評価試験中に行方不明になったため、今の俺の機体は、セシリア機と二号機の予備部品をかき集めて急遽製造された間に合わせの機体で、便宜上ブルー・ティアーズ二号機になっているが、ともかく動けばいいといった感じの機体だった。
もともと戦闘での全力運転なんて想定されていない。
授業での演習程度なら問題ないだろうが、こんな状態で戦闘したら、いつ何があってもおかしくはない。
それでも先行を志願したのは、別に格好をつけるためでも、ヒーローに成りたい訳でもなく、篠ノ之束との約束を果たすためだ。
原作では船籍不明船の件がなければ一夏は『福音』を撃墜出来ていたかも知れないが、この世界ではどう転ぶか解らないからな。
船籍不明船の件が最初から解っているだけでもだいぶ違うだろう。

砂浜まで行くと、時刻は十一時。
俺はISを展開。
展開したIS
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