ジークレインの決断
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そこから造形魔法の構えを取り、冷気を集中させる。
「アイスメイク、大槌兵!」
そこから氷のハンマーが現れ、踏み落とした兵や下にいた兵を一気に押し潰す。
一方・・・少し離れた所で、元素魔法を使う3人は多くの兵に囲まれていた。
因みにうっかり囲まれてしまったのではなく、自分達がわざと囲ませるよう仕向けたのだが。
だってその方が――――――――
「面白れぇなァ・・・」
アルカが小さく舌を出し、舌なめずりをする。
彼は面白ければいいのだ。『面白ければ』。
面白いのなら何百人を敵に回そうと構わないし、世界中を敵に回しても構わない。
もし彼が面白いとさえ感じれば、彼は自力で理想の世界を創り上げる為、世界を滅ぼしかねないのだ。
ただ『面白さ』だけを求める・・・それがアルカンジュ・イレイザーなのである。
「さぁて・・・行くか、ルー」
「OK。援護しようか?」
「ん。攻撃力と防御力の判断はお前に任せる。とりあえず移動速度を頼む」
「了解っ!ティアは?」
「アンタに任せる」
「解った」
短く言葉を交わし、最初に動いたのはルーだった。
「任されたから全部を上げるよ!2人とも、準備はいいね!?」
「おうよ!」
「はいな」
その答えを聞いたルーは両手に淡い緑色の光を灯し、詠唱する。
「悠久なる空を駆ける天馬の如き疾風の俊足を・・・全てを無に存在させ永久に砕けぬ空の如き鉄壁を・・・空をも斬り裂く鋭く激しき風の刃を・・・」
閉じた目を一気に開き、3つの魔法陣が同時に展開する。
心地よい鈴の音が響き、ルーが吼えた。
「大空俊足×大空防御×大空剛腕!」
両腕を広げたと同時に、アルカとティアの体を緑色の光が包む。
それを確認したアルカは少し歪んだ笑みを浮かべ、茶色の魔法陣を展開させた。
ドラムのように大きな音が響き、兵達の一部の足元にも魔法陣が現れる。
「な、何だ!?」
「気づかねぇ時点でオメェ等の負けさ、ヤロウ共」
そう言うと、アルカはゆっくりと両手を上げ・・・
「貫け、砂の軛・・・俺の視界から邪魔な敵を消せ」
勢いよく、振り下ろした。
「大地貫剣!」
その声と同時に、魔法陣から砂で構成された先の鋭い剣が一気に伸び、兵達の服を貫き、遠くへと投げ飛ばした。
それだけで兵の半分が消える。
「んじゃ・・・あとは任せるぞ、ティア」
「了解」
短く答え、ゆっくりと目を閉じる。
鐘の音と共に魔法陣がティアを囲むように展開し、詠唱する。
「・・・魔の海に魅入られし愚か者よ・・・蠱惑の海に裁かれ、天を舞え・・・」
魔法陣
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